アップルのプレゼン術を盗め!(その1)

さーて、記者会見から数時間後に既に、アップルのサイトで記者会見の模様がHDで公開されています。

○Apple Special Event – October 2008
http://www.apple.com/quicktime/qtv/specialevent1008/


○アップル社から学ぶ、製品発表・記者会見のテクニック

私は2005年のアップルのDeveloper Conference(開発者会議)でインテルに移行することを発表した記者会見から、彼とアップルの記者会見のすごさを改めて認識しました。

アップルというのは、過激と言ってよいほどファンがいます。

ちなみに私は仕事柄、ウィンドウズやUNIX系のOSも使っているので、過激なファン・・・ってデスクトップもノートもiPhoneも持っているからファンか・・・。

でも、人によっては状況によってウィンドウズのパソコンをオススメしていますので、そんなに過激なファンではないと自負していますが・・・。

でも、とにかく、報道関係者から、ユーザーから熱狂的な支持者が多いです。

それはなぜなんでしょうか・・・。

○製品から店舗までのチームワーク

製品発表を見ていると、よく、ユーザー、製品開発、提携製品メーカー、開発者、デザイナーそして店舗までの連携がよく出来ている事を強調しています。

○パートナーを呼ぶ

例えば、CPUをインテルに帰る時、インテルのCEOと、アドビのCEO、マイクロソフトのマック部門の重役を基調講演に呼びました。

CPUの新しいパートナー、フォトショップ等のデザインソフトでマックの地位を確立した会社、そしてオフィスソフトで絶対に揺るがす事のないマイクロソフトとの協調関係を強調し、これからもきちんとやれるとユーザーと開発者に訴えました。

こうして、ある意味、失敗しないかもしれない一大プロジェクトでしたが、ユーザーもソフトウエア開発者も「がんばってみよう」と勇気づけられたのです。

そのほかにも、いろいろ成功となる鍵があったのですが、専門的になりすぎるので省略。

こうしてインテルへの移行も大成功を結びつかせたのです。

iTuneで映画の動画配信をスタートするとき、スタジオ関係者を記者発表に呼んでパートナーである事を強調しました。

iPhoneでサードパーティーにソフトを開発してくれとお願いするときに、ビジネス・ゲーム・医療関係のソフトの開発者を招待して、ソフトを実際に開発してもらい、それをデモで公開しました。

これは、開発者やコンテンツ制作者をすごく安心させる作用があります。

○会社内での連携・チームワーク

今回のノートパソコンの新製品発表でも、デザイナーを前面に出し、機能の強化を図り、しかもエコにつとめているというプレゼンを行いました。

これは、現在の状況・技術・デザイン・コストを絶妙に考えた、チームワークの成果です。

もちろんマーケティングにべらぼうなお金をかけているのですが、しかし、エコ活動は利益無視するんじゃなくて、エコでも稼ぐ事が出来るということを徐々に証明しています。

これは、技術・マーケティング・ユーザーの事を良く熟知しているジョブズ氏ならではの技でしょう。

○社員とのチームワークを前面に出す

なので、数日前に彼の病気説が出たときに、アップルの株が暴落しました。

それほど、ジョブズ氏のリーダーシップが重要だとマーケットも認識しています。

しかし、2005年の基調講演と、今年の基調講演を見ていると、違いが見られます。

最近、ジョブズ氏は積極的に部下を全面に出すようになって来ました。基本的なあらすじは、ジョブズ氏。そして細かい部分の説明は、各部門のリーダーが説明するようになって来ました。

これは、彼が、早ければ数年以内に引退する準備をしているのでしょう。

だんだんと彼が後ろに下がっています。

というように、アップルは一緒にやって行こう、成長して行こうというチームワークを前面に出し、それを応援したくなるような環境を整えているのです。

簡単に言えば、かっこいい。

○報道関係者に優しい資料の充実

アメリカのアップル社のホームページに行ってみましょう。

○Apple
http://www.apple.com/

このブログを書いている時点で、下から2番目のところに、記者発表の動画を観る事が出来るリンクがついています。

アップルは、自社の動画フォーマットであるQuickTimeを開発。そしてファイナルカット等の映像編集システム、そしてパナソニックとの技術提携、そしてアニメ映画制作会社であるPixer社を傘下に収めているので映像分野でも先を行っています。

それを利用して、2005年以前から、記者発表を自社で撮影・編集・公開しています。

しかもハイビジョンで・・・。

記者発表に行けるのはせいぜい百人から千人の人。しかし実際のユーザーは何十万人といるわけで、報道関係者の報道を待っていられません。

ということで、各イベントの基調講演や記者発表をすべて自社で保存し、そして公開しているのです。

これほど、自分の思い通りに物事を伝えられるツールはありません。

もちろん、彼らの基調講演は万人向けではありませんが、きちんと情報公開をしていることに意味があります。

ということで、報道発表資料を世界各地の報道関係者に迅速に伝える事が出来る体制を作り、しかもそれがユーザーにも伝える事が出来ているという一石二鳥のシステムを確立しています。

○絶妙な駆け引き

そして、アップルのいいところなんですが、実はアップルは、オープンなところはオープンなんですが、コントロールしないと行けないところはコントロールしているんです。

それが、

○製品発表前までの完全なる報道規制

しかしそれが、ユーザーの中でおもしろい予想合戦が行われており、そして各報道陣は、リーク情報を得ようと必死です。

それが、いい意味で新製品発表への注目を浴びる結果となっています。

○緻密なマーケティングの準備

しかも、製品発表をするときには、きちんと必要なマーケティングツールを準備しています。

製品発表とともに、ホームページが更新されます。

CMも発表されます。

そして製品紹介ビデオも発表されます。

すべてがうまくアレンジされています。

溜めて溜めて溜めておいて放出しているんです(ちなみにイヤらしい事は想像しないで下さい。)

この駆け引きは、アップルの長年の経験からなし得る成果でしょう。

○学生への“洗脳”

さてさて、本当にこれは「洗脳」でした(苦笑)

アップルの製品は値下げをあまりしません。

今後、マーケットシェアが増えると絶対に独禁法に引っかかるので、今後のアップルの行方が面白いところですが・・・。

ブランドとしてのイメージを確立されていますが、唯一、アップルが値下げを許しているところがあります。

学生です。

近年、アメリカの大学に行くと、大学のブックストアーで、学生のみに割引をおこなっています。

そして、割引を提供する条件として、大学が今後購入するコンピュータをマックにしなければ行けないという契約を結ばないと、アップルは割引を受け入れてくれません(数年前ではそうでした)

しかし、IT関係者として、マックはすごく管理がしやすいパソコンだし、最近ではウィンドウズも動きますから、マックだけしか導入しなくても構わないんですけれど・・・。

きちんとすべての関係者が納得出来る環境を整えた上で(ウィンドズが走る、UNIX系のプログラムも動く)、独占契約を結ぶことを条件にしているので、大学関係者としても、学生としても、そんなに不利ではありません。

なので、他のメーカーのパソコンよりも、契約が結びやすい→大学で販売される→学生が使う→卒業しても使う→マックを買い続ける

これは、脅威なんですが・・・。しかしアップルは、これを20年以上前から行っています。

なので、20年間も、地道にやってきたことなので、私的には、「ようやった〜」です。

もち、これは学生に対しての、ある意味洗脳行為なので、私たちは厳しく見て行かないと行けないのですけれどね。

○自社への応用

さてさて、以上の事を自分たちでもできればしましょうよ〜。

ということで、どういう事が今自社で出来るかを考えてみましょう。

続きはこちらから
○アップルのプレゼン術を盗め!(その2)
http://ja.katzueno.com/2008/10/822/

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