アジア系の勢力。アメリカ大統領選挙の裏側

3年ほど前、知り合いの映画監督が突然「民主党が大統領の席を奪還するまで映画を作らない」と宣言して、ずうっと政治活動にのめり込んでいました。これで、やっと彼が映画制作の方に戻るかな〜と思っている今頃です。

さて、私の電話も鳴っています。NHKやNPR、FOXのニュース等をチェックしています。黒人の友人から喜びの電話がかかって来ました。

今、ニュースは大統領選よりも、同時に行われた住民投票の結果に移っています。カリフォルニア州では、昨日、裁判所の結果によって合法化された同性結婚を、再び無効化するための住民投票が行われています。

ロスの市内は、あちこちでイベントが行われて、ベント会場周辺の車の渋滞もすごいみたいです。

さて、この選挙で、ニュースでは取り上げられていない私たちが注目すべき点です。

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○アジア系アメリカ人の政治への影響力が拡大

私の友人を含め、アジア系アメリカ人が、中国系、韓国系、日系の範囲を超えてオバマ大統領当選に向けての活動を行っていました。ただベトナム系は共和党寄りでしたが・・・。

これはアジア系アメリカ人が自分たち一人一人のグループでは影響力が少ない事を認識し、そして2世3世と各自の文化が薄れてオバマ候補のキャッチフレーズである「融合」というキーワードのもとにつながったという印象です。

また、彼らはYouTubeやFacebook、MySpaceを中心とした活動も活発に行っており、共和党陣営は保守派が多い=テクノロジーに疎いこともあり、出遅れてしまいました。

オバマ陣営はオンラインで寄付活動やグッズ販売を行い、寄付金の上でも大幅にリードした形になったのです。

ともかく、この3年、元々政治色が強かった友人がどんどんと全米で講演会やYouTube、MySpace、Facebookでの活動を静観して来ましたが、この数年でアジア系の市民権が、ちょっとずつ向上しているのを実感しています。

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○日系ではなくアジア系

ここで注目すべき点は、今後、日本はどのようにアメリカと付き合って行くべきか・・・。

その答えが先月NHKのETV特集で取り上げられていました。

○ETV特集「日系アメリカ人の“日本”」
http://www.nhk.or.jp/etv21c/backnum/index.html

9月28日にNHK教育で放映された、今の日系アメリカ人の今をとらえた特集です。

テレビでは、2世3世と、日系アメリカ人が、自分は日本人であるというよりも、アジア系アメリカ人であるという認識の方が強いという事を話していました。

これは、日本企業が、アメリカ進出の際に、日系アメリカ人サイドが日系企業で働きたいという意思があったのに、無視をした結果でもあります。

今でも、ロサンゼルスに住んでいる日本人が日系アメリカ人と積極的に交流を持っているというのをあまり聞いた事がありません。これは企業の姿勢というよりも、日本の国民性と、日系アメリカ人の歴史にすごい隔たりがあるという事を証明しています。

ともかく、日本側は、日系アメリカ人との強いパイプを文化の違いと歴史によってチャンスを完全に逃しました。

NHKのETV特集で取り上げられましたが、日本の政府が、今やアメリカで結構な影響力を持つ日系アメリカ人の有力者と強いパイプを持ちたいと積極的になっています。

その日系アメリカ人の一人が、番組中でも「私は日系というよりもアジア系で一致団結した方が影響力が強いので日本との関係も大事だが他のアジア諸国との関係も重視したい」と発言をしていました。

そうして、ロサンゼルスでは、アジア商工会議所という、アジア圏の人々が集まった商工会議所を設立し、日系アメリカ人のビジネスでの有力者はそちらへ参加する色が強くなっています。

○Asian Americans form chamber of commerce – LA Times
http://articles.latimes.com/2008/jan/09/business/fi-asian9

上記はロサンゼルスタイムズの記事ですが、2008年初頭にアジアの国々の地元商工会議所が集ってアジア系に限定した商工会議所が設立されました。

これは、中国に進出した工場がベトナムに移転したり、インドへ進出したりと、今後は中国だけではないという変化を物語っています。

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○基軸通貨崩壊で見えて来た地域通貨の可能性

私は

○ロシア政治経済ジャーナル
http://archive.mag2.com/0000012950/index.html

を、8年くらい前から購読していたので、発行者の北野さんの御陰でこのドル崩壊のことを数年前から知っていましたので、驚く事はありませんでした。

そうして、このメルマガとアメリカでのアジア系アメリカ人の活動で、近い将来、かなり高い確率で起こりうる事があるということを、確信した事があります。

それは、アジア各国が、かなり高い確率で、10年以上掛かるかもしれませんが、ユーロのような共通通貨を導入する可能性です。

ヨーロッパはほとんどの国が陸続きで、衰退した影響力を取り戻したいということもあって、共通通貨の導入が比較的早くすみました。

しかし、今回の一つの通貨、ドルだけではリスクが大きいという声が高まり、多極的な勢力となり、将来的に地域ごとの基軸通貨が出来るかもしれない可能性が出て来ると思います。

いまは小さな事ですが、アメリカでアジア共通の商工会議所が出来た事がその第一歩を示しています。

と もかく、日本も影響力が少なくなっています。中国もまだ未発達。インドはこれから経済成長を控えていますが、テロ等の危険もあるので中国のように簡単には 発達出来ません。ベトナムも、社会主義国の影響が残っており、タイも内情が不安定で確実ではありません。韓国もまだ南北問題が解決していません。

いままで中国は、賃金が安いことと、政府にワイロを渡せばなんとかなるという利便性によって世界各地の企業が集まって来ましたが、今後、賃金が高くなるという事でそれらの優位性は薄れていきます。

なので、今後はもうちょと複雑な世の中になって行くでしょう。

今までは日本と中国だけに注目したら良かったのですが、今後は、最低限、中国・韓国・日本・タイ・ベトナム・インドネシアの内情と経済を考えてリスク分散をして行かなくては行けない世の中になって行くでしょう。

それで、その試金石になるのが、アジア基軸通貨の導入だと思います。

円、 元、ウォン、バーツだけでは信頼性が低い。ただユーロやドルも今後不安定になる・・・だから影響力の強い新たな地域の通貨が必要になって来ており、今後、 世界中の投資家が、ドル・ユーロ、そしてできるであろうアジア基軸通貨への分散投資をしていくのではないでしょうか・・・。

と私は勝手に考えております。

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○通貨の多極化から見えて来る勢力の多極化

ということで、今後、アメリカは世界の影響力が薄れて来ます。しかし、今では他に世界をコントロール出来る体力を持った国はいません。

なので、既にEUができているように、アジアにもそういったような動きが加速するのは必至で、今は体力がある日本がそれの先導に立たないといけない状況になって来ました。

そして、その一つが、アメリカのアジア系のコミュニティーで日本の企業が発言力を持つ事だと思います。

つまり、いまさら、日系アメリカ人に頼むという事ではなく、アジア系全体への働きかけが必要になって来たのです。

しかしながら、日本人というアイデンティティーも少しばかり主張する必要が出て来ます。

融合を進めて行かなくては行けないが、その中でリーダーシップを発揮出来るかがカギとなるでしょう。

ちょっと、今回は話が難しくなりました。次回は、ちょっと映画業界に限定して話をしてみます。

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