ハリウッドは今中国が支配している…けれども

さて、昨日はアメリカ大統領選から見える今後の変化と日本の展望を書きましたが、今回はそれに少なからず関係しているハリウッドの勢力地図の変化を書きたいと思います。

○アジア系の勢力。アメリカ大統領選挙の裏側
http://ja.katzueno.com/2008/11/874/

昨日から、アメリカにいる友人たちといろいろしゃべっていますが、黒人に友人は、40年前の公民権運動の成果が現れている事を喜び、白人の友達はロシアとの関係を心配しています。

○お金がない!ハリウッドの現状

そんな中、とあるハリウッドのプロデューサーといろいろやっている友人と話した時の第一声。

「ハリウッドには今、金がない」

ちょっと前、私は、ハリウッドがどのような資金調達をしているかを書きました。

○ハリウッド映画・ヨーロッパ・そして資金調達のヒミツ
http://ja.katzueno.com/2008/02/470/

○映画の投資の集め方(前の続き)
http://ja.katzueno.com/2008/02/472/

○日本インディ映画に未来はあるのか。スタジオとインディーの違い
http://ja.katzueno.com/2008/10/806/

ちょっと前まで、ハリウッドを支えていたのは、ヨーロッパの投資家の人たちでした。

ヨー ロッパの国々が、自国の文化発展のために政府が行った、映画に投資したら所得税免除という制度を、ハリウッドのインディー制作会社が“利用”して、映画の 著作権を一時ドイツで設立した会社に持たせ、時には東ヨーロッパ等の人件費が安い土地で撮影をし、俳優はハリウッドから高い金を払って呼び寄せ、最終的に は、ハリウッドのスタジオに売却されリリースされるという手法をとって来ました。

ただ、ご存知のように、ヨーロッパでも金融危機が起こっています。映画に投資出来る金持ちは少なくなって来たのです。

ヨーロッパに強いコネクションを持っているハリウッドの映画会社たちは悲鳴を上げています。

韓国も、今現在も、韓流ブームで儲かった資本を利用してハリウッド進出を狙いましたが、残念ながら、韓国のストーリーはハリウッド受けしなかったようです。

リ メイクがささやかれていた「Old Boy」もいつの間にかIMDbという映画データベースからリメイク版が消えています。「猟奇的な彼女」も一時期はアメリカで映画が公開されるはずでした が、残念ながら制作はされたものの、有名な俳優を起用する事が出来ず、DVDのみの発売となりました。

○「My Sassy Girl」アメリカ版「猟奇的な彼女」IMDbから
http://www.imdb.com/title/tt0404254/

韓国も失敗してしまったと言ってよいでしょう。とある、韓国の制作会社の社長さんと、とあるパーティーでご一緒する機会があり、その時は羽振りが良かったんですがね。

ということで、脚本家の友人曰く、

「今、ハリウッドで金を持っているのは中国人のみ」

で、今、ハリウッドは中国人に受けるための作品を作るのに躍起になっています。実際、

○レッドクリフ
http://redcliff.jp/index.html

も、それの象徴です。

友達の脚本家も、一緒に働いているプロデューサーに「あかん、これは中国人(投資家)には受けない」とダメだしを受けているようです。今ハリウッドで働いている人たちは、中国人投資家にどうやったら喜ばれるかを考えるのに必死です。

んで、「また中国のいいなりになるのかよ〜」と落ち込んでいる人。まだ早いです。

中国人に受ける内容だったら、別に中国人を主役にしたり中国を舞台にする必要はないんです。

そして、レッドクリフの映画をよーく見ていただけると分かると思いますが、なぜか日本人俳優が多い事に気がつきますよね。

なんで、中国人は超大作の作品を作れる資金力と人材とストーリーを持っているのに日本人俳優を起用しなくては行けないのでしょうか。

それは、中国のお国柄によるからなんです。

○実は中国は映画を売れないから作れない国

ご存知のように、中国は違法コピーが反乱しています。DVDの工場も中国にあるので、そこらへんの従業員がマフィアと結束して一枚1ドルのハイクオリティーDVDが購入出来るようになっています。

なので、お金があると言っても、中国国内で作っていても、中国国内では売れないので、お金をドブに捨てられないのです。

なので、中国は、お金があるのに、中国国内で映画が売れない実情があるのです。

これは、私たちには、かなりのチャンスです。

レッドクリフでも、Avexが出資したこともありますが、日本で売れるように日本人俳優を起用させる事が出来ました。アメリカの資本も入っているのでアメリカでも公開されるでしょう。

おそらく中国側も、自分たちの国で映画が売れないのはおかしいので、著作権対策に乗り出して来ますが、それを達成するのには最低数年以上かかるでしょう。

なので、各国のプロデューサーさんは、今がチャンスです。金融危機と言っても中国の貿易はまだ黒字です。ということは、中国にはお金がある人がまだたくさんいます。

今後、ハリウッドでは、中国と太いパイプを持つプロデューサーが台頭するでしょう。

というか、それは実際問題既に起こっているのです。

○アジア映画のハリウッド・リメイクに変化
http://www.varietyjapan.com/news/business/2k1u7d00000fbomi.html
○シンガポール発の強力アジア・ファンド誕生
http://www.varietyjapan.com/news/business/2k1u7d000001q205.html
○ハリウッドが中国に熱視線!
http://www.varietyjapan.com/news/movie/u3eqp3000003bxey.html
○釜山でアジア映画ファンドの賢い利用法伝授
http://www.varietyjapan.com/news/business/2k1u7d00000dr5o2.html

一番最後のバラエティージャパンでの記事でも、ワインスタインCo.が2億ドルのアジア映画ファンドを立ち上げました。このお金は、かなりの率が中国からやって来ています。

その中国資本で作られる作品を見てみましょう。

○ジャッキー・チェーンとジェット・リーの「Forbidden Kingdom」
○ジョン・キューザック、コン・リー、渡辺謙、菊地凛子の「Shanghai」
○「七人の侍」のリメイク
○「ドラゴンボール」実写版

あれれれ。中国資本の作品なのに、日本の作品や日本人の俳優が多いですね〜。

つまり、中国はお金があるし、ネタもたくさんあるけれども、中国国内ではお金を儲けれないから、今の段階では、ネタもあり収益も見込め世界中に有名なコンテンツが多くある日本がホットなのです。

ということで、今まで中国を毛嫌いしていた制作会社の皆様。エイベックスさんの一人勝ちにならないように、どんどん中国にオフィスを出して地元の有力者=お金持ちのパイプを築いて2年後には一本制作出来るようにしたいですね〜。

今は、中国のお金で、日本人としてのこだわりの作品を作る事が出来るチャンスですよ〜。

これが、昨日、ちょっとお話しした、「融合を進めて行かなくては行けないが、その中でリーダーシップを発揮出来るかがカギとなるでしょう」の一つの具体的な例です。

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