リチウム電池を海外発送する方法

さて、実は先月、知人の知人であるアメリカ人ドキュメンタリー監督のコーディネーターとして、一週間ほど、沖縄の取材旅行をしていました。今、その作品の編集作業をしています。

取材の時、監督は、私が用意したメインカメラの他に、サブカメラとして自分で Canonの小さいカメラ、「iVIS-HF10」というカメラを持参。使う予定はあまりありませんでしたが、それでも、4〜5時間分の素材を撮影。

編集をする私は、そのカメラの素材も Mac に取り込む必要が・・・。

しかし監督は取材直後にアメリカに帰ってしまったので、私がカメラをキープし、ビデオ素材が入った外付けハードディスクと共にカメラを郵送することにしました。

これが、大変面倒くさいことになってしまうとは、思いもしませんでした・・・。

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取材終了の10日後、12/30までに、30時間の素材を外付けHDDに取り込み、ビデオカメラを梱包し、郵便局に・・・、周りの人は年賀状を手に・・・私は大きい箱を手に・・・。

国際郵便のEMSは、値段も安く、保険も自由に効くので、重宝しており、しかも、今までノートパソコンや業務用ビデオデッキなども送付したことがあるので、アメリカに送るときは、信頼しています。

今回も普通に送れると思ったら・・・。

郵便局「すいません。リチウムイオンバッテリーは危険物なので送れません〜」

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がーーーん。

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アメリカ留学時、ノートパソコンが2回故障し、EMSで計4回(1999年と2002年)、リチウムイオンバッテリーを郵送したことがあるので、普通に郵送できると思ったのに・・・詳しくは後述。

ということで、ひとまず、監督には、ビデオカメラのバッテリーを取り除いた外付けHDDとカメラ本体をEMSで送ります。送付書にはビデオカメラの横に「No Li-Ion batteries」と、バッテリーがはいっていないことを明記。

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ということで、リチウムイオンバッテリーが含まれる

・ノートパソコン
・ビデオカメラ
・iPhone や iPod
・カメラ
・携帯電話

を国際郵便で送るのがかなり厳しくなっています。

皆さん気をつけてください。

特に留学生をもつ親御さん。お子さんが日本に一時帰国するときに、携帯電話を空港についた時から使えるようにと、携帯電話を送っていた方。もしくは、日本一時帰国中に、iPodや、現地の携帯電話を日本に忘れてしまって家族に送ってもらおうと思っている方・・・。

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前振りが長くなってしまいましたが、ビデオカメラのリチウム電池を郵送するのに今までかかった手間をここでメモがてら、残しておきます。バッテリーを海外発送する方法です〜。

以下の面倒くさいことをしないといけなくなりました〜。

※ この記事は 2010年1月16日に書かれました。

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■ 各宅配会社のリチウム電池発送の可否
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ということで、

● 郵便局
リチウムイオンバッテリーはとにかくダメ。船便でもダメと言われた。とにかく、郵便局さんはダメです。

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● クロネコヤマト(ヤマト運輸)
メーカーが用意する、IATA仕様書50版に準拠した英文の MSDS (Material Safery Data Sheet – 製品安全データシート)を用意してくれたら大丈夫。

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● 佐川急便
値段を調べたら、Sagawaさんは、クロネコさんより1000円以上高かったので、電話しませんでした。

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● Fedex
100WH以下の品物で、IATAパート1の製品あれば、専用のパッケージと用紙を用意すれば大丈夫とのこと。

※リチウム・バッテリーの発送
http://www.fedex.com/jp/about/custom/regulatoryupdates/ShipLit_30Jul09.html

※バッテリーを安全に発送するためのガイド (PDF)
http://images.fedex.com/downloads/jp/packagingtips/battery_brochure.pdf

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●DHL
差出人がDHLアカウントを作成して登録することが必要。リンク先のページにあるサンプルの手紙を参考にする
http://www.dhl.co.jp/publish/jp/ja/press/press/local_news/200900304.low.html

※ちなみに、これを書いているの時点でリンク先のページ「レター記入サンプル」ですが、PDFファイルなのに、「.html」として保存されているので、うまく開けません。パソコンにまずダウンロード保存し拡張子を「.pdf」に直す必要があります。

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■ どの会社にしようか〜
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まず、私の場合、DHLは、サービスエリア外なので、残念ながらリストから外れます。サイトを見る限り、アカウントを作っておけば、簡単に送付出来そう。

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Fedexのサイトが一番丁寧に説明をしてくれています・・・。
Fedexさんの説明によると・・・。

● IATA- Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%e5%9b%bd%e9%9a%9b%e8%88%aa%e7%a9%ba%e9%81%8b%e9%80%81%e5%8d%94%e4%bc%9a

国際航空運送協会という国際機関で、簡単に言うと世界の航空業界を取りまとめている機関があるのですが、彼らは国際航空貨物に対する取り決めも決めています。

そして、2009年1月1日発効のIATA危険物規則書50版で、リチウム電池の取り扱いを変更しました。

携帯電話やノートパソコン、そしてハイブリッドカーなどで、かなり身近になってきたリチウム電池。実は、かなり危険なものなんですね。

(そういえば、ノートパソコンの発火事件とかありましたね〜)

古いリチウム電池や、壊れている電池に、気圧の変化や静電気のショックを与えようとすると、爆発してしまう恐れがあるので、安全基準をきちっとクリアーした製品しか航空貨物として搭載しないという取り決めをしました。

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ということで、Fedexさんでは、IATAの新しい規約書のパート1に属している製品だったら、ちょっとした紙を書くだけで発送出来ますよと・・・。

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ちょっとまて、「パート1」てなんや〜。

Fedexのカスタマーセンターの方は、IATA Part1であることが製品に刻印などがしてあれば、何も特別な紙は必要ありませんとおっしゃっていました。

うー む。バッテリーを見てみても、IATA Part 1という文字はどこにもない・・・。監督は2008年上半期に、カメラとバッテリーを購入しています。新しい規則が発効された2009年以前の購入ですか ら、その表記はないわけです。メーカーさんに問い合せなくてはいけないでしょうかね・・・。

でも、おそらく、Fedexさんは、輸送時に自社の飛行機で運んでいますので、こういうことは融通がきくかもしれませんね。私の予想では、簡単に送れそうな気がします。

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クロネコヤマトさんにも電話。

「メーカーに問い合わせて、安全データシートを送ってもらって下さい。特にそのデータシートが、2009年以降に作られたかを確認して下さい。」

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うーん。そうか・・・。たかが、小さい数百グラムのバッテリーを送るだけで、こんなに大掛かりになるのか・・・。

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監督も「こっちで買い直した方が早くない?」

ごもっともです。

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ただ、ここまで来たら、ちょっと面白くなってきたので、もうちょっと頑張ってみましょう。

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私が最終候補に上げたのは、近くに営業所がある、クロネコヤマトさんやFedexさん。次に送料を確認してみましょう。クロネコヤマトさんから。

http://date.kuronekoyamato.co.jp/date/KokusaiTakkyubin?ACTID=J_RKWTJS0020&SEARCH_ID=01&LAND_CD=US

発送料金は、3,600円 + 1,500円 = 5,100円ほど

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手続きが簡単そうなFedexさん。
私もアメリカ国内ではヘビーユーザーです。

ネットでで値段を見積もったら・・・7,300円・・・。

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このバッテリー2個、買いなおすと1万円ちょっと・・・。コスト的にかなり簿妙です。

まあ、1万円で新品を買うよりも、購入してから計20時間ぐらいしか使っていないバッテリーを5000円で送る事を選ぶと、やはり、5000円使って、送る方が良いでしょう。

もしも、これが、5000円以下の商品だったら、送り先の方を説得して、新しいのを買ってもらいましょう。

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ということで、2000円ほど安く、今は編集作業で忙しいので、急に撮影しなくていけないわけでもないので、クロネコヤマトさんにしましょう。

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■ キャノンさんに問い合せる
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ちなみに、バッテリーは、キャノン純正バッテリー BP-809と、BP-819の2個です。

クロネコヤマトさんから、「メーカーから仕様書を送ってもらって下さい」と言われたので・・・。

ダメもとでキャノンを調べる・・・。

まずはウェブ上で資料が無いか・・・

● パーソナル向けデジタルビデオカメラサポートメニュー【iVISほか】
http://cweb.canon.jp/e-support/products/dvcam/index.html

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上記サイトを検索しても見つかりませんでした。

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ということで、キャノンの050番号に電話。

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自分:「アメリカに、バッテリーだけを発送したくて『IATA仕様書50版』にそった報告書が要るみたいなんですが、そういうのって作ってくれるんですか〜?」

キャノン:「では1週間以内に、郵送かFAXでIATAの紙を作成して送りますね」

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おお〜!!!!
電話してみるものです。
一週間時間がかかるというのは微妙ですね。

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でも、こんなことに対応しなければいけないメーカーさんは大変になるんじゃ〜。仕様書を簡単にダンロードできるようにしたらいいんじゃないかなと思うのは私だけでしょうか・・・。

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とにかく、自分の名前、住所、電話番号、FAX番号、そしてカメラの使用目的(仕事用カメラですが、家庭用ビデオカメラなので、突っ込まれないと思い、「家庭で撮影」すると申告)を担当者の方に伝えて、電話を切りました。

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14時ぐらいに電話してから、3時間後、キャノンのサポートらしき番号から電話が・・・。

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キャノン「用紙が計16ページほどになりましたが、ファックスで送ってもよろしいでしょうか」

自分「はい、お願いします」

(一週間かかるって言っておいて3時間かい〜!)

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と いうことで、予想以上に早く、ファックスで、MSDA (Material Safety Data Sheet) が無事送られてきました〜。内容も、2009年9月に作られた仕様書なので、おそらく、IATAの新規格をクリアーしているでしょう・・・。キャノン様、 素早い対応ありがとうございます

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■ いざ、クロネコさんへ
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そして、いざ、クロネコヤマトさんの営業所へ。

ここが私が日本に住んでいて良いなと思ったことですが、日本の郵便局は、大きいところでは24時間営業。宅急便の営業所さんも21時まで営業されています。アメリカだったら、24時間、宅配便を出せるのは、Kinko’sの店舗を展開している、Fedexだけです〜。

日本は便利だな〜と考えているうちに、クロネコヤマトさんの営業所に着き、無事、発送を完了。

書類以外の発送物は、税関に内容を申告しなければいけません。
んでもって、値段の申告もしなくてはいけません。それによって関税がかかってしまいます。

ということで、クロネコさんの所定用紙の内容物には

「Canon Li-Ion Battery BP-809 (Used)」 = キャノンのリチウムバッテリー (中古)
「Canon Li-Ion Battery BP-819 (Used)」 = キャノンのリチウムバッテリー (中古)

と記入。Gift (贈り物)というところをチェックし、料金を1×2 = 2円として申告

キャノンさんからいただいた MSDSを同封しました。

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それでも、数百グラムのバッテリーを送るだけで、約5,200円かかってしまいました〜。

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さて、無事に届くかどうか〜。

また1つ、しょーもない知識と経験を得ることが出来ました。

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<関連記事>

■ 郵便:米国向け航空便小包を全ストップ
http://ja.katzueno.com/2010/11/1802/

cc common dummy placement

  • Higuchimykey

    知ってました? 2011年 1月30日付けでヤマトはリチュウムイオンバッテリーの大小、搭載機器すべてについて、取り扱いを中止(陸送は大丈夫)しました。

    カメラやノートパソコンについている大きなものはいざ知らず、デスクトップPCのリチュームコインバッテリーもNGだそうです。 それだけでは有りません、「それでは抜いて送ります」と御願いするも、「抜かれたかどうか(たとえ目の前で抜いても)は後で他の検査員が判断できないので、デスクトップPCはお預かりもできません」 と言う事のようです。もうFedExしか道は残されていません。

  • すいません。新しいコメントのシステムに慣れていないので、コメントに気が付きませんでした。そうなんですか!とうとうクロネコさんも駄目になったんですね・・・。リチウムイオンは、便利だけれども、見えない危険があるってことですね。

  • Miraiusagi

    Fedexさんに問い合わせたら大丈夫でした。しかも配達日数が迫っているときは早いので便利です。情報を有難うございました。