テクノロジーと映画演出の危機

最近のパソコンのディスプレイにはHDMI端子がついているので、ビデオレコーダーをつけるだけで、パソコン用ディスプレーが地デジ対応テレビに早変わりします。

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<関連記事>

● 5万円で フルHD地デジ & レコーダー。エコポイントなんて関係ない?
http://ja.katzueno.com/2009/09/1065/

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朝に時間がある時は、テレ東→フジテレビ→NHKの朝のニュースを見て・・・というのが日課になっていますが、時々、仕事をしながら、テレビをつけっぱなしにして、朝の連続ドラマを見てしまう時がああります。

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■ 映像制作者にとっての雑誌記者
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ということで、

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● 連続テレビ小説「ウェルかめ」
http://www9.nhk.or.jp/asadora/welkame/

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を時々、「聞きながら」作業をしていました。(あくまでも仕事中心)

その時に、ちょっと違和感を感じたのです。

というか、映画制作者にとって、危機感を持たなくてはいけない重大な事実を発見したのです。

映像の演出にとって、かなり危機的な状況になっているのです。

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簡単に説明すると、事の始まりは、このNHKドラマを見ていた時の疑問から始まります。

倉科カナさん演じる浜本波美が、地元活性化のために、地元徳島を紹介するフリーペーパーの発行を始めます。そこで、主人公の波美は、フリーペーパーの題材を探そうと試行錯誤します。

それから、フリーペーパーの評判が上がって・・・とストーリーが続きます。

その時に、私は、かなりの違和感を覚えました。

なぜかというと、主人公の波美が、フリーペーパーのネタを探している苦労が、あんまり伝わってこないのです。

なんでなんでしょうか。

NHKの演出さんが手抜きをしているわけでも有りません。倉科カナさんの演技がヘタでも無いのです。

でも、何故か、主人公の波美さんの苦労が伝わってこないのです・・・。

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とにもかくにも、そうしている間に、最近、私はクラシック映画を見るようになりました。

時間があれば後で紹介しますが、1934年のクラシックコメディー、「或る夜の出来事(It Happened One Night)」や1953年制作オードリー・ヘップバーンの名作「ローマの休日」を見て、はっと気がついたのです。

「紙がね〜!」

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※ちなみに、上記のクラシック映画は両方とも主人公が新聞記者

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■ 「紙の存在」の重要性
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そうなんです。

「ALWAYS 三丁目の夕日」では、茶川竜之介が、子供小説や、小説を書く時にづまっている時に、紙をグチャクチャにして暴れます。

「ドラえもん」では、小池さんも締め切りに追われて、部屋には紙が散らばっています。時々、藤子F不二雄氏も漫画の中にでてきました。

そこで、グチャグチャになった紙っていうのは、試行錯誤をしている、記者、小説家、漫画家のシンボルだったわけで、私も小さい頃から、それを見て育っていたのです。

小説家、記者、漫画家 = ぐちゃぐちゃの紙

というのが、私の脳みそにインプットされていたのです〜!

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そして・・・。

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もう、記者、小説家、漫画家の方のほとんどは、紙を使いません。

パソコンを使って原稿を書きます。

なので、ストーリーの時代設定が現代であった場合、紙で原稿を書くなんて、50代以上の方ぐらいしか中々通用しません。

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これは、映像制作者としてピンチです。

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なんてったって、紙は、安くて簡単にセットを汚せてオーバーに見せて、んで、結構片付けも簡単です。

俳優さんの演技がちょっと下手でも、安価にごまかせたのです・・・。

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しかーし、それがパソコンになったら、小道具としても、あんまり壊せないし、ビンボー小説家のストーリーだったら、どんなにネタに困っていても、パソコンをぶん投げることはしません。

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昔だったら、小説家の人が、ネタに行き詰まって、商店兼アパートの2階の窓から紙くずをぶん投げたら、下を歩いていた近所のツルピカハゲのおっちゃんの頭に当たって、「このやろ〜」と階段を駆け上がって小説家のお兄ちゃんをブン殴るに来る程度で終わっていました。

現 代の設定では、小説家の人が、パソコンを2階の窓の外から投げたら、パソコンの角が下に歩いているオッちゃんの後頭部を激突して死亡してしまうので、火曜 サスペンス劇場になってします。しかも、パソコンの中に個人情報が入っているので、直ぐに犯人が分かります。そんなドラマはつまらないです。

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予算、人物設定、ストーリー自体・・・どの面から見ても難しくなってきました。

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どんなに、俳優さんがパソコンの前で悩んでいる上手い演技をしても、画面一面に散りべられる紙に比べると、全然映像のインパクトが違います・・・。

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コンピュータを使って仕事をしている者として、いろいろな恩恵を受けているのですが、映像制作者の立場でもあり、それを考えると、かなりキビシー状態です。

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■ エコが演出をダメ(?)にする!!
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そこで、もう1つの危機感を覚えました。

「ガソリンスタンドがなくなる!」

やばいです。電気自動車が発達するので、ガソリンスタンドがなくなってしまいます!

ということは、数十年後、どんなにお金があっても、存在しなくなるので、未来の時代設定のストーリーでは、ガソリンスタンドが爆発するアクション映画が作れなくなります!

しかも、ガソリンスタンドが消えてしまうので、今後、ガソリンスタンドを爆発させるシーンを作るのに、余計にお金がかかってしまいます!

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映画制作者の皆様。ガソリンスタンド爆破シーンがある、アクション映画を作るのは今しか有りません!

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(って、別に工場とか、他の建物を爆発させてもいいんですけれど〜)

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車のカーチェースで、車が激突、横転して、「脇役A」の運転手が中に閉じ込められて〜、主人公が助けに来てるけれど、漏れたガソリンに火が燃え移って、中に いる「脇役A」が「逃げろ〜」と言っても、主人公「そんな〜お前を見殺しに出来るか〜!」と助けようとするんだけれど、「脇役B」が間一髪で主人公を助け て、「脇役A」は、交差点の真ん中で車と一緒に爆発して、主人公が「お〜〜〜!!!」と号泣する隣に、ヒロインのネーちゃんが寄りそうという感動シーンが 作れなくなるのです!

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映像制作者も、技術の変化についていかなくてはいけないと実感した一日でした。

いや、しょーもないネタでした・・・。

というか、どなたか数十億円くらいください〜。今のうちにガソリンスタンド爆破シーンの映画撮りましょう〜!

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