concrete5 でメールマガジン発行を管理できる高機能な 5.6 系アドオンの Mailing List パッケージ(ちょっとネーミングが混乱をまねきますが・・・・)の日本語で完全解説。操作方法マニュアルも兼ねています!
concrete5 サイトに登録しているユーザーに大量にメールを送信しつつも、メール本文に、各受取人の名前を入れたりと、個々のメールのカスタマイズや、受信者の購読確認やクリック計測も出来るスグレモノです。
主な機能
Mailing List の主な機能はこちら
- 購読 (Mailing Subscription) ブロック
- ユーザーの CSV 一括インポート
- concrete5 のグループへの個別配信
- メールのテンプレート登録
- ユーザー属性を使用した1通ごとの表示カスタマイズ
- メールマガジンの分割配信、Cron ジョブでの分散配信
- 簡単な既読、クリック解析
制作したのは、元 concrete5 コアー開発チームで、今はアメリカ・ロサンゼルスに住んでいる Tony さん。
アドオンは1ライセンス $55 する concrete5 マーケットプレイスから購入できます。無料メルマガ発行ツールでは広告が入ったり、月々払い続けて $55 以上払い続けることになる有償サービスしかない事を考えると、お買い得なアドオンとも言えるでしょう。
今日はその機能と使い方を紹介します。
尚、今日の解説では、concrete5 の基本的な操作方法、特にユーザー管理の方法が分かっている方向けです。
concrete5 には、標準で、ユーザーやグループ管理を行える機能が付いており、主なユーザー管理は concrete5 標準の機能を使います。
また、共用レンタルサーバーなどの場合は、メール送信数にかなりの制限を加えている場合があります。VPS や専用サーバーでの運用が必要になってくるかもしれません。
0. 準備
Mailing List アドオンのインストール後、まず、メールマガジンを配信したいユーザーを concrete5 サイトに登録し、それらのユーザーをグループのメンバーとして登録して下さい。(後述のブロックを使って、一般からメールアドレス登録も出来ます。その場合は、メールマガジンを配信用のグループだけ作成して下さい。)
1. 管理画面
インストールすると、管理画面に、Mailing List のメニュー一覧が出てきます。
Mailing List は主に、管理画面から操作をするアドオンです。
※インストールしてあるパッケージによって管理画面中の表示場所が変わります
中途半端な翻訳になっていますが、メニューの項目は。
1. Create – 作成
2. Mailings – メール(下書き、発行済メルマガ一覧)
3. 設定 – 設定
4. Manage Subscribers – 購読者管理
5. Subscriptions Auto-Response – 購読者自動返信設定
となります。
2. 設定
インストールしたら、まず、設定をしましょう。管理画面から「設定」をクリックしてください。
設定ページに訪問します。
Group Access
こちらで、concrete5 でどのグループに所属しているユーザーに対して、メールマガジンの購読を申請できたり、メールマガジンを送信できるかを設定します。
「Allow Subscriptions」でチェックされたグループは、後述する「Mailing Subscription」(購読)ブロックなどを通じてメールマガジンの購読登録が出来ます。
「Enable Mailings」でチェックされたグループのユーザーに対して、メールマガジンを発行します。
「Enable Mailings」でチェックし、「Allow Subscriptions」にチェックされていないグループのメルマガ購読者は、メールマガジンの購読停止はできるけれども、再購読の登録はできなくなります。
Send Process Configuration
こちらで、メール送信の設定を行います。
レンタルサーバーなど、一度に大量のメールを送信させないサーバーがあるので、その制限を超えない範囲で、メールマガジンの送信が可能です。
Auto-Send
メールマガジンが作成されたらすぐに送信を開始するか否か。
Logging
メール送信ログの記録を、無効にするか、最初の5通だけにするか、すべての送信ログを取るかを選択。すべてにすると、Logs データベースのテーブルが肥大化するのでお気をつけ下さい。
Send Throttling:
このチェックも常にオンにされることをオススメします。メール送信時、サーバーのレスポンスが悪くなれば、メール送信プロセスをスローダウンさせるか否かのオプションです。
Maximim Run Time
メール送信プロセスが実行できる最大の時間。デフォルトでは10分ですが、レンタルサーバーなどでは、5分ぐらいのほうが好ましいでしょう。レンタルサーバーの中にはもっと短い時間を要求するものもあるかもしれません。
Send Rate
ここで、何通のメールを送ったら、何秒間停止するかの設定を行います。お使いのレンタルサーバーの共用可能領域をご確認下さい。
Auto-Restart
メール送信が途中で止まった場合、何分後に送信プロセスをスタートできるかの設定を行います。レンタルサーバーの場合60分という設定をしたほうが無難かもしれません。
自動実行ジョブのURL
薄いグレーの文字で英語と URL が記入されている部分があります。そのURLはメール送信 Cron ジョブの実行用 URL です。大量のメール送信を、ゆっくり時間をかけて行うなどを行いたい方は、この URL を使って実行してください。
Email Design
こちらでメールマガジンの外枠のコーディングを設定することが出来ます。「 Basic 」は、横幅 600px の白背景で囲むというテーブルが記述されています。
スマートホン向けの配信であると不具合があるかもしれませんので、変更が必要であれば「 カスタム 」を選んで、適宜、変更してください。
設定完了!
これで、設定が完了し、メールマガジン発行の準備が出来ました!
3. Create | メルマガ作成 & 送信
いよいよメールマガジンを作成して送信してみましょう。
メニューから「Create」を選ぶとメールマガジン作成画面が出ます。
Recipients
メールマガジンを配信したいグループを選びます。「 Add Groups 」をクリックすると、前述の設定ページに戻ります。
「 Only send to users with the following attribute enabled: 」という項目では、選択したグループに加えて concrete5 のユーザー属性で特定のチェックボックス属性にチェックしているユーザーのみに配信するかという設定ができます。
Sender’s Email:
こちらではメルマガの差し出し元メールアドレスを指定します。デフォルトでは、現在ログインしているユーザーIDで登録しているメールアドレスが差出人となります。変更したい場合は、「 その他 」を選んで、指定してください。
豆知識:SPFレコードを追加しよう
最近の迷惑メールフィルターでは、メールアドレスが普段使われているサーバー以外から送信されると、スパムメールとみなす場合があります。
そのために、自分のメールアドレスのドメインの DNS の SPFレコードに、concrete5 が設置してあるサーバーの IP アドレスを追加することを推奨します。SPFレコードについて詳しくは、私のブログ記事「ドメインの DNS に SPFレコードを追加する」を参照してください。
Sender’s Name
差出人の名前を入れてください。
Subject
メールの件名を入力してください。
Body
ここにメールマガジンの本文を入力できます。 concrete5 の記事ブロックと同じ要領で、リッチテキスト形式を使い、文字にある程度の装飾やリンク、画像を加えたりすることが出来ます。画像は、concrete5 のファイルマネージャーから挿入できます。
User Attributes [+]
これが、別に使わなくてもいいけれども、使いこなせたら最強な Mailing List アドオンの機能です。
メール本文の右下にある「 User Attributes 」というリンクですが、ここが、この Mailing List アドオンを使いこなすための要チェック機能!日本語訳で「ユーザー属性」といいます。
ここで、メール本文に、ユーザーさんの登録情報(名前やメールアドレス)などを、メールマガジン本文に挿入するためのタグの確認や設定します。
クリックすると、新しくウインドウが出てきて、使用
できるユーザー属性一覧が現れます。
一覧から、メールマガジン本体に挿入したいユーザー属性をコピーします。グレーの色で「%○○○○○○%
」という部分をコピーし、メールマガジンの適宜な場所に配置していきます。
例えば、ユーザー ID の場合は、%user_name%
、メールアドレスは %email%
なので
%user_name% さん、こんにちは。 これはメールマガジンの本文のサンプルです。 %email%にお送りしています。
というふうに本文を入れると、各ユーザーの ID や メールアドレスが自動的に導入されるようになります。
ただ、 入力必須ではない属性を使いたい場合、ユーザーによっては、属性が空欄の場合があります。その場合は「 Default Value 」にユーザーが情報を入力していなかった場合に表示する文字を入れてください。
下記キャプチャ画像は concrete5-japan.org サイトなのですが、このサイトでは「名前(ニックネーム) 」ハンドル「nick_name
」という属性を追加しており、ユーザーさん登録時にニックネームを入れてもらっています。ですので、メール分には各自のニックネームを入れられる設定も可能です。
Attachments (Optional):
メールに PDF などのファイルを添付したい場合にここからファイルを選びます。
注意
メール本文に画像を挿入する場合は、ここの添付は使いません。あくまでも、ユーザーにファイルを送りたい場合に使用します。
プレビュー
メールマガジンの本文の入力を終えたら、右下の「Preview」を押すと、メールのプレビューを見ることが出来ます。
HTMLメールとしてのプレビューと、テキストのみの表示も確認できます。
編集をしたい場合は、画面左下の「Edit
」ボタンをクリックすると編集画面に戻ります。
また「Save as Draft
」より、メールマガジンを下書きとして保存することも出来ます。
送信!
プレビュー画面で、準備ができたら、「Send
」ボタンを押しましょう。
そうすると、ポップアップ画面が出てきます。送信するユーザー数がでてきて、本当にこれらのユーザーに送信開始しますかという確認画面です。
「OK」をクリックします。
そうすると送信画面が出てきます。「Start
」ボタンを押して、送信作業を開始します。
受信者が少ないと、すぐに結果を教えてくれると思いますが、人数が多いと、 後で確認が必要です。
送信に失敗すると「failed
」のところをクリックすると、エラーログを確認する画面に飛ぶことが出来ます。
4. 下書き・送信済メールの結果の確認
Mailing List アドオンには、実は配信者がメールを開いたのかや、リンクをクリックしたのかを判定できる機能があります。
管理画面のメニューより「Mailing
」をクリックします。
そうすると、下書き中や、送信済みのメルマガの一覧がでてきます。
下書きのメルマガをクリックすると編集画面に戻り、メルマガ発行作業を継続することが出来ます。
送信済みのメールマガジンをクリックすると、送信結果と、購読の状態が表示されます。
チャートの説明
Viewed Only = メルマガ閲覧だけした人
Click-thrus = メルマガ内のリンクをクリックした人
Unsubscribed = 退会をした人
Unopened = メールを開かなかった人 (*)
(*) メールを開かなかった人は、HTMLメールを開かず、Plain Text のメールだけを開いた人のみも含まれます。
5. 購読者の確認
購読者の確認は管理画面の「Manage Subscriber」から。
ここで、個別のユーザーの追加、削除や、なんと、CSV ファイルを使って、大量にユーザーの追加を行うことが出来ます。インポートは、メールアドレスのみから、ユーザー属性情報もテキストデータであれば同時に取り込むことが可能です。
Subscribers
こちらは、メーリングリストに購読している一覧を表示します。 concrete5 サイト自身にユーザー登録している人、登録していない人の一覧を絞り込み検索し、一括削除ができます。ただ、ユーザーの属性を編集はできません。
Import Subscribers
csv 形式のユーザー一覧を取り込むことができます。
- UTF-8 形式の CSV ファイルを用意します
- 注意: Microsoft Excel で生成された CSV ファイルに日本語が含まれている場合 Shift_JIS 形式でファイルを出力するので、かならずテキストエディタ等を介して UTF-8 に変換して頂く必要があります。
- CSV ファイルをアップロード
- 取り込みたいグループを選択
- Import Mode の「Emails Only」はメールアドレスのみを取り込む、「Emails & Attributes」は属性情報も取り込むかを選択します
- Email & Attributes を選択すると、CSV の項目と、concrete5 側の属性の照合をするための選択肢が出てきます。項目の照合を間違いの内容行ってください。カラムが足らない場合は「Add Another Column」をクリックして増やしてください。
- 「I confirm that I will not send unsolicited mailings」とは、「自分は購読者に許可無くメールを送りません」という宣言です。同意する必要があり、チェックしてください。
- 「Submit」でとり込み作業を開始します。
Subscribe / Unsubscribe Users
個別ユーザーのメールアドレスを購読したり解約したりすることができます。メールアドレスを指定するだけなので、属性の編集や削除はできません。
6. Mailing Subscription ブロック
そして、最後は、concrete5 サイトからも購読者を募ることが出来るよう「Mailing Subscription」ブロックがあります。
ブロックの編集画面はこのような感じです。まずは、設定タブから説明します。
タイトル
ブロックで表示するタイトルと、使用するタグを選びます。メールマガジンのタイトルなどを入力してください。
Signup Text
タイトルの下に表示される説明文です。
Successful Subscription Message
購読が完了した時に表示されるメッセージです。「ありがとうございます」的な文面です。
Choose Mailing List Group
どのメーリングリストグループに属するかを指定します。
複数のメールマガジンを1つのサイトで管理したい場合は、複数のグループ作って振り分けるようにします。
「Show mailing list group checkboxes」とは、参加するグループのチェックボックスを表示させてユーザーが選べるようにします。例えば「店舗からのおしらせ」グループと「クーポン・お得情報」グループを作って、ユーザーがどれのグループに入るか選べるようになります。
Let Unregisterd User Subscribe
ユーザー登録していないユーザーでも購読許可をするかのチェックで、「はい」にした場合、メールアドレスの確認メールを送信して本人確認を行いたい場合に「Require email validation check for unregistered users」にチェックを入れます。念の為に、ここはチェックしておいたほうがいいかもしれません。
ユーザー属性タブ
ユーザー属性タブをクリックすると、メルマガ登録の時に、ユーザーに直接登録してほしいユーザー属性を選びます。
全て設定を終えて「新規」ボタンを押します。
そうすると、下記のようにブロックが無事サイトに設置されます。
7. Subscriptions Auto Responder
上記 Mai Subscriptions ブロックを設置し、一般ユーザーに購読を促している場合、購読完了のお知らせメールを送信したいです。
その時に設定するのが、Mailing List ブロック最後にある「Subscriptions Auto-Response」です。
ここでは、基本的に、差出人の名前と、件名、装飾なしの本文を記入します。そうすることで、新規購読者に向けての Thank you メッセージなどを表示させることが出来ます。
以上、すごく便利な機能である、Mailing List アドオンの紹介でした。
concrete5 サイトで会員サイトを構築している人は、必見なアドオンです。是非とも利用してみてくださいね。
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