知人から、セミナー・勉強会を、録画・生放送するのに良い機材はないかと聞かれ、以前の投稿からすごく時間が経ってしまっているので、再び投稿します。
Katz の使用している機材と、それをもとに、すべて使っているわけではないけれど、おすすめできそうな機材を紹介します。なので、自己責任で行ってください。
Katz のセミナー機材一覧
多くが3〜4年前に購入したものなので販売停止なカメラが多いですが、セミナー録画・配信には遜色ないクオリティで配信しています。
の録画ビデオはすべて下記の機材で配信しています。
以前にも
- Web制作者のための Ustream 活用術 – WCAN 2012 Summer 資料
https://ja.katzueno.com/2012/07/2969/
という記事を書いていますが、今回はセミナー配信に特化した2016年最新版です。
マイク・音声
セミナーでいちばん大切なのは音の録音です。なのでカメラでも配信機材でもなく、マイク・音声機材を一番最初に持ってきました。
ビデオではありません。セミナーはどちらにしろ、スライドが用意されているので、ビデオ映像に問題が生じていても編集でなんとか出来ます。
しかし、失敗すると取り返しがつかなくなるのが、音声です。
しかもスピーカーの声が聞こえないセミナー動画は、セミナー動画ではありません。
アメリカ時代に、現場録音のプロを師匠にし、映像の音声関連の仕事で稼いでいた Katz が自信を持って紹介する製品が下記となります。
Audio-Technica の AT897 というショットガンマイクが絶対のおすすめです。
しかし、ちょっと気をつけることが・・・。
AT897 は残念ながら日本では売られていません。そのため、 B&H Photo Video というニューヨークのカメラ専門ショップから購入する必要があります。Katz は 15年以上 B&H を利用しているヘビーユーザーで日本への発送も問題なく行ってくれます。ただ、英語表記なので心配になる人もいるかも。
AT897 は XLR という音声端子なので、BeachTek という会社が作っている、XLR 音声端子をミニ音声ジャックに変換できる機器の購入が必要になります。BeachTek という商品がそうです。BeachTek は日本でも販売されていますが、アメリカのほうが断然安く購入でき、上記 AT897 を購入する際に B&H から同時に購入するのも良いでしょう。
またカメラは、音声入力端子が必要です。後述のキャノンのカメラであれば音声入力端子がついています。
XLR ケーブルであると、マイクケーブルを長い距離飛ばすことが出来ます。
- ショットガンマイク: Audio-Technica AT897 x 2 [US公式 | B&H Photo Video ]
- インタビューマイク: Sure SM63LB x 4 [公式]
- XLR変換アダプタ:BeachTek DXA-2T [ US公式 | Amazon |B&H Photo Video | System 5 ]
- 上位機 DXA-HDV [ US公式 | ]
- 卓上マイクスタンド 4個 (地元の楽器屋さんで安いのを購入)
- 簡易マイクスタンド 3本 (地元の楽器屋さんで安いのを購入)
- XLR ケーブル 50m x 2
- XLR ケーブル 30m x 2
- その他音声ケーブル、変換アダプタ多種
- ワイヤレス小型インタビューマイク Senheiser G2 4セット
- デジタル音声ミキサー ProTools Digidesign 002
- Flash メモリカード業務用レコーダー FOXTEX FR-2
他にも、NHK を始めとする放送局がニュースで使用している Shure SM63 の長い黒いバージョンの SM63LB や、デジタル音声ミキサーなどを持っていますが、セミナー録画は、リストの上5個、XLRケーブルまでを揃えたら良いでしょう。XLR ケーブルは、5m と 20〜30m のものを2本ほど持っておくと良いかもです。
マイクは、広い会場であれば、壇上の上ではなく、必ず音声スピーカーの近くに置きましょう。
話者は勉強会によっては歩いたり移動します。マイクを一緒に持って移動するスタッフとブームマイクのような機材があれば良いですが、そんな人数は考えられないので、ショットガンマイクをスピーカーの前に置くだけで良いです。
どちらにせよ話者は、会場のマイクを使って喋ると思うし、カメラのマイクを意識しなくて良くなるので一石二鳥です。
小さい勉強会会場で、マイクシステムがない場合は壇上の近くにマイクを設置しましょう。ただし、話者のすぐ前ではなく、数メートル話して設置し、マイクを意識せず話してもらえるようにするのと、話者がチョッ度移動したとしてもマイクの指向性を使ってキャッチできるようにするためです。
カメラ
メインは HF-M41 で、マルチカメラの時に HV-30 を使っています。HDV テープを再生できる貴重なカメラ。Nikon D90 は主に写真撮影用。元々はキャノン派なのですが、家庭の事情で Nikon 使っています。
- Canon HF-M41 [公式 | Amazon | 価格コム ] (販売停止)
- Canon HV-30 [ 公式 | Amazon | 価格コム ] (販売停止)
- Nikon D90 [ 公式 | Amazon | 価格コム ] (販売停止)
ソニー、パナソニック、JVC は家庭用から業務用カメラまで扱ったことがあるのですが、セミナー専用のビデオカメラだと、キャノンの iVIS が断然おすすめです。前述のマイクを使うために音声入力端子が必須なのですが、キャノンの家庭用カメラはしぶとく音声入力端子を備えてくれていて、メニューからマニュアルでレベル調整もできる良品。
現行品では iVIS HF R72 [ 公式 | Amazon | 価格コム ] ですね。
カメラアクセサリー
セミナー配信は電源が取れるところが多いのですが、たまに電源ケーブルを忘れたりする時は重宝します。セミナーは長時間なものが多いので、かならず長時間対応できるバッテリーを購入しておくと良いです。最低2個。1日持つようにしましょう。バッテリーチャージャーもバッテリー1個につき、1個買うほうが良いです。
- 各ビデオカメラ、非純正大容量バッテリー2個以上
- 各ビデオカメラ、非純正大容量バッテリーチャージャー2個以上
- KENKO 保護フィルター、PL フィルターセット
三脚
Libec の三脚は2万円しますが、セミナーなどでは遠くから撮影を行うので、最低これくらいのレベルの三脚を使ってスムーズなパンやティルト (カメラを上下左右に動かす)ことができます。
サンワサプライのクランプポッドは卓上にカメラを設置できるので、三脚を持ち運びたくないときには重宝しています。小さいですが、重たく、カメラの固定もコツが入ります。それでも、三脚を電車に持ち込んで勉強会・セミナー会場に行きたくない時とかに重宝しています。
オーディオテクニカ三脚は安物のバックアップ三脚です。
- Libec TH650DV [ 公式 | Amazon ] (販売停止)
- サンワサプライ マルチクランプポッド DG-CAM16 [ 公式 | Amazon ] (販売停止)
- オーディオテクニカ AV-474 [ 公式 | Amazon | 価格コム ] (販売停止)
Libec 三脚で後継機で販売中なのは TH650HD [ 公式 | Amazon | 価格コム ] です。予算が許せば購入したい代物。
マルチクランプポッドの後継機は「サンワダイレクト 三脚 マルチクランプポッドmini CX-2500 200-CAM004」として販売中 [ 公式ショップ | Amazon ] 小さいのと大きいのがあるようで、一眼レフなどちょっと重いものであれば、CAM002 大型タイプの購入が必要そうです。私は全モデルですが、大型タイプ同等の大きさと重さです。
1万円以下の安物の三脚の予算しかない人は、安物でも、水平器がついている。ある程度の高さまで伸ばせるのが購入の決め手になるかもです。
配信機材
Ustream や YouTube、ニコニコ動画への配信を行うための機材です。720p の HD で配信ができる LiveShell 2 はパソコンを持ち運ばなくても配信ができるということで重宝しています。
配信機材の準備の他に、ネットの確保も大切です。
モバイルインターネットでの配信を行う場合は、回線の容量とモバイル無線がその場所でそもそも配信ができるだけ安定しているか、人数が多い場合はモバイル・インターネット混信する場合があるので複数のネットワーク回線をバックアップとして持つなどの対応が必要です。
状況によって、HD画質ではなくに画質を落として配信せざるを得なくなります。
Katz は個人的に最近発売された LiveShell X [ 公式 | Amazon ] に注目しています。1080p 配信が可能で、透過PNG画像も使用可能なのがちょっと魅力的です。
参考:開放が必要なネットワーク回線
セミナー会場などの公共施設備え付けのネット回線を使う場合、ネット配信に必要なポートが開放されているか事前に確認する必要があります。施設管理者に下記のネットワークとの通信が可能かを事前に確認しましょう。施設の担当者が返答できない場合は、事前に会場でテストをお願いしましょう。でなければモバイルインターネットがそもそもその現地で使うことができるかを確認し、モバイルインターネットでの配信か、生放送は行わずに録画のみを行うことを考慮しましょう。
ネットワーク管理者に下記のポートを使って、下記のドメインと通信ができるように鳴っているか確認しましょう。専門用語な補足で言うと、ワイヤーウォールの開放などは必要ないです。あくまでもポート通信が可能かのみの確認です。
わからなければ、ここのブログ記事をそのまま施設担当者に見せてみましょう。
- LiveWedge LiveShell 2、を使う場合:
- 配信するための共通設定(Ustream、ニコニコ生放送など、どのサーバーに配信する場合にも必要な設定)
- s.cerevo.com, shell.cerevo.com
- TCP: 80, 443
- wss02-shell.cerevo.com
- TCP: 999
- Youtube Liveに配信する場合
- 配信先IPアドレスはGoogle IP address rangesのページを参照してください
- TCP: 80, 1935
- Ustreamに配信する場合
- ustream.tv, *.ustream.tv
- TCP: 80, 1935
- ニコニコ生放送に配信する場合
- live.nicovideo.jp, *.live.nicovideo.jp
- TCP: 80,443,1935
- Dashboardを使う場合(ブラウザから利用):
- s.cerevo.com, shell.cerevo.com, wss02-shell.cerevo.com
- TCP: 80, 443
おまけ:アバーメディア・テクノロジーズ プレゼンレコーダ CV910
セミナーでは質疑応答とかがあったりするし、現場の雰囲気をちょっとだけでも伝えたいと思ってビデオカメラを使った録画を推奨しているのですが、パソコンの画面を直接録画するマイクがついているだけの録画機も存在します。それがプレゼンレコーダー CV910 です。
有限会社アップルップルの山本さんおすすめの機材で使用体験ブログはこちらから。
SD カード録画のみで、YouTube に公開するまでに変換作業を行わければいけないなど制約はありますが、セミナーを録画するだけという用途に絞るのであれば使えるかもです。
ケーブル類
- 無線 WiFi ルーター Baffalo WHR-G301N
- HUB スイッチャー 4 & 6 チャンネル
- LAN ケーブル 50m x 3
- LAN ケーブル 30m x 1
- LAN ケーブル 5m x 10
- HDMI ケーブル 30m x 2
- HDMI ケーブル 7m x 3
- HDMI ケーブル、変換アダプタ多種
- 電源ケーブル 30m x 4
- 電源タップ 5口 x 4個ぐらい
その他アクセサリー
- モバイルインターネット (本番 & バックアップ用)
- 単3電池
- 養生テープ
- ライトメーター: Sekonic L-508Cine
単3電池は、Audio Technica のショットガンマイク使用で必要です。
養生テープは長くなったLAN、電源ケーブル、音声 XLR ケーブルに人が躓かないようにしっかりと地面に固定するために使います。
ガムテープであると粘着力が強すぎるので NG。
壁や床を傷つけない程度の粘着力しか無い養生テープを使いましょう。
まとめ:Katz がおすすめ、セミナー配信で最低限用意した方がいい機材
- ショットガンマイク: Audio-Technica AT897 [US公式 | B&H Photo Video ]
- XLR変換アダプタ:BeachTek DXA-2T [ US公式 | Amazon |B&H Photo Video | System 5 ]
- 卓上マイクスタンド (地元の楽器屋さんで安いのを購入)
- 簡易マイクスタンド (地元の楽器屋さんで安いのを購入)
- XLR ケーブル 50m x 2
- 各種音声変換アダプタ
- キャノン iVIS HF R72 [ 公式 | Amazon | 価格コム ]
- Cerevo LiveShell 2 [ 公式 | Amazon ]
- オーディオテクニカ AV-474 [ 公式 | Amazon | 価格コム ] と同じような三脚
- LAN ケーブル
- 電源ケーブル
- 電源タップ
ですかね。
それでは、よいセミナー配信・ビデオ配信を。
参考記事
- Web制作者のための Ustream 活用術 – WCAN 2012 Summer 資料
https://ja.katzueno.com/2012/07/2969/ - NAMO (NAgoya Movie Obenkyokai)
http://namo758.com/
以上