産経新聞のニュース記事ですごく疑問に思ったので、取り急ぎ、一言。
産経新聞 2/16: 英語の先生がテストを受けたら中学生並みだった?…TOEIC280点の英語教師がいた
http://www.sankei.com/west/news/170216/wst1702160007-n1.html
そもそも、京都府教育委員会がビジネス英語のテストである TOEIC を教師に受けさせたことの意味がわからない。ちゃんと教師向けのアカデミックなテストを受けさせるべき。
ちなみに、TOEIC を、試験数日前から計6時間ぐらい勉強し、一発で 990点を取りました。その実力を持ち、家族は代々、中学・高校などで教師をしています。TOEIC のことと、教育をちょっとだけ知っている者として意見を書きます。
教育向けの英語テストではない TOEIC で中学校の英語教師の能力を図るということ自体がおかしい。
TOEIC の例題が、公式サイトに掲載されていますが、そこから穴埋め問題の例題を見てみます。
Customer reviews indicate that many modern mobile devices are often unnecessarily ——- . 答え [complicated]
顧客アンケートで、モバイル機器はよく、必要以上に複雑であるということが示された
Jamal Nawzad has received top performance reviews ——- he joined the sales department two years ago. 答え [since]
Jamal Nawzad さんは、2年前に営業部に配属されてから一番の成績を収めることができる。
完全にビジネスよりの例文です。中学生時代の教科書を思い浮かべてください。中学生の英語の教科書にでてくる英語と、TOEIC に出てく英語の差は歴然です。
自分は、TOEIC を受験数日前から5時間ぐらい勉強して、1発で 990 点合格できました。それは何故かと言うと、英語で仕事をしていて、常日頃、電話やメールでその言葉をやり取りしていたから。
しかし、環境が違う英語教師の能力テストとして使うことがあまりにも違っていると感じます。
英語教師が、TOEIC の為だけにビジネス英語を勉強させることになるのが見え見えです。(楽天が社員に TOEIC の点数を必須とするのとは全く違う論理です。)
英語教師に TOEIC のテストを勉強させることは、教師に販売の営業セミナーに行くように言っているようで、公立教育としては大変非効率。
では、どうすればよいのか。アカデミック向けの英語テストの受験が必要です。
TOEIC のテストを提供するテスト機関は、実は別に TOEFL というテストも提供しています。 TOEFL は大学生活で必要な英語を出題し、教育という観点では、そちらのほうが良いのではないでしょうか。私もアメリカ大学入学時代に TOEFL を受けているのでその内容を熟知しています。他にも iTEP という機関がアカデミー向けのテストiTEP for Academic を提供しています。
せめて、 TOEFL や iTEP for Academic など大学教育のために作られているテストを受けさせるべきです。
※ 免責: iTEP テストの創業者 Akins 氏と自分は知り合いで。彼と情報交換していてちょっとだけ英語テストの背景も知ってたりしてます。