1995年1月17日。中学生で、三重県四日市市にいた私も、その揺れを感じ目を覚ましました。ちょっと大きい地震かなと思っていた地震は、実は100キロ以上離れた神戸からのもので、その被害が尋常なものではないと感じたことを、リアルタイムのように思っています。
また、私の学校にも、家を失った転校生を何人も受け入れ、修学旅行先が変更になったりと、テレビの向こうのことが実際に現実の影響として少なからず実感していました。
その次に起こった身近な災害(?)が911テロ事件でした。
アメリカの大学に通っていた私はルームメイトに電話で起こされ、大学に。休講などのアナウンスはありませんでしたが、とにかく大学へ。教室にはテレビが持ち込まれ、最終的には各教授が自主判断をして生徒に帰宅させました。
とある知り合いは、その時に実際に飛行機に乗っており、バンクーバーに緊急着陸。そこで何地も立ち往生を食らったそうです。
その時にも、インターネットやテレビの情報がどれだけ重要かということを実感したのです。
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観光立国だからこそ必要な災害対策
外国人として、大きい物は911テロ。小さいものでも、いくつかの災害を海外で実際に体験してきた私が印象に残ったのが、日本語のウェブサイトやフリーペーパーが、きちんと、常日頃から災害情報を発信していたことでした。
しかし、日本に帰ってみると、そのような、つまらないけれど、知らなければいけない情報が不足していることを実感しています。
都市部では外国人向けのフリーペーパーが充実し、コミュニティーもたくさんあり、サポート設けられます。
しかし、私が問題視しているのは、外国人が少ない地方や、外国人観光客が多いけれども、実は災害対策の情報対策が十分行われていない地方の観光都市です。
観光やビジネスなどの楽しかったりする情報以外でも、このような災害情報を解決する事が、観光立国や国際化に重要だと YokosoNews をスタートさせました。
その第1弾を、僭越ながら、昨日の阪神大震災の記念日に便乗して、日本に住む在日外国人が最低限知っておくべき地震対策ガイドを執筆させていただきました。
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● Japan Living Guide: Earthquake 101 in Japan
http://yokosonews.com/lifestyle/earthquake-101/
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これを書いていて、思ったことを紹介します。
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観光立国・外国人への災害対策の問題点
問題1:どうやって情報周知させるの?
このブログ記事を呼んでいる方は、防災に関する意識が高い方だと思われますが、大半の方は、防災袋を用意している方はこれくらいいらっしゃるでしょうか?
学校で、先生がどれだけ生徒に真剣に防災訓練をしようとさせても、ふざける学生を止めることは出来ません。
というか、懺悔ですが・・・私は、防災訓練の時も、ふざけていたような記憶があります・・・。好きな女の子のことを思い浮かべていて、校長先生の話なんか聞いてなかったような気がします(苦笑)
実は、この記事を調べていたとき、防災コンサルタントの方より、三重県で、素晴らしい取り組みをされていることがわかりました。
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● 外国語版『三重県地震防災ガイドブック』『わが家の防災情報シート』
http://www.pref.mie.jp/KOKUSAI/HP/jisinbousai_guidebook/index.htm
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そして、このような素晴らしいツールも開発されていることが分かりました
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● BousaiMie.jp
http://www.bosaimie.jp/mie_eng/
(ちなみに、このシステムを作っている会社さん、海外にインフラの1つとして、スマートグリットのパッケージの1つとして組み込むべき。日立さん、よろしく〜。)
● 災害時多言語情報作成ツール((財)自治体国際化協会)
http://www.clair.or.jp/j/culture/disaster/index.html
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* こんな素晴らしいツールが存在していることは、地方自治体の関係者の方はもとより、留学生の多い学校、観光協会の方への周知を徹底したいと思いますし、皆さんも身近な人で、そういう関係者さんがいらっしゃる場合、このブログ記事を紹介していただければと思います。
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このようなツールを作ることは税金の無駄でないし、絶対に行うべきなんですが、問題があります。
- 周囲への利用の徹底できるか
- 届けるべき人に届けられるか
です。
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例えば、三重県が作成した地震防災ガイドブックは37ページに及び、地震のメカニズムから、家具の固定の方法など、素晴らしい情報が盛りだくさん。
平和な世の中、テレビの向こうの世界の出来事。37ページのガイドブックを読む外国人がどれだけいるでしょうか?
んで、後で、災害が発生し、たくさんの外国人が亡くなり、「ウチでは外国人に対するガイドブックをきちんと作成したんですが、皆が読んでくれなかったので、死んじゃいました」で納得する海外の遺族やメディアはどれだけいるでしょうか?
どんなに、ツールや情報を用意したとしても、それが周知できないと、日本が外国人に対する対策を怠ったと批判されます。
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問題2:お金と時間がない
んで、日本人同士で災害対策が徹底されていない中、これ以上、外国人が見ないテレビでコマーシャルを流しても意味が無いです。お金の無駄です。人海戦術ぐらいですが、行政の方は、もう既に人手不足です。というか、既に行政の方はいろいろ動かれています。
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● 三重県「災害時外国人サポーター研修」「外国人住民を対象とした防災セミナー」を鈴鹿市で開催
http://www.pref.mie.jp/TOPICS/2011010012.htm
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もう既にセミナーを積極的にされています。三重県職員の皆様、ご苦労様です。ありがとうございます。
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問題3:英語での告知が十分でない
ただ、残念ながら、それらのセミナーを行なっていることは、日本の英語メディアではあまり報道されていません。
これは、日本の英語メディアが100%悪いのではなく、日本の英語メディアもお金と時間がないのです(涙)。
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問題4:つまらん
学生の頃、防災訓練をどれだけつまらないと思ったことか。
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問題の解決策には、やっぱりコミュニティーのパワー
防災コンサルの友人から、最近の防災の方針は、「地域住民の判断で住民同士の助け合い」を主流とするということを伺いました。というか、阪神大震災の経験から、政府・消防・警察でなく、たくさんの人がボランティアの手によって助けだされたりしていたのを目にしていました。
もちろん、行政・メディア・防災機関のサポートは重要ですが、みんながブログや Twitter ができるようになった昨今。災害が起きた時だけではなく、防災の際でも、ボランティアで色々取り組むべきでしょう。
在日外国人に対する対策も、ボランティアやコミュニティーの輪を広げていきたいと思います。
これって、ソフトウエア開発の1種である「オープンソース」のコミュニティーのコンセプトに非常に良く似ています。
ただ、一人ひとり、戸別訪問してもいいんですが、ひとまず、たくさんの人に、項言うことをするよって広く啓蒙活動するのも大切。ということで、まずは、どれだけたくさんの人に、防災に関する情報を伝えられるかを考えていきましょう。
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情報周知の前に他の、他の周知活動をみてみよう
上記の三重県の災害対策のガイドは、すばらしいものです。ただ、私が小学校の頃、防災訓練でふざけたりおしゃべりしてしまうように、在日外国人すべての人が37ページの防災ガイドを読みません。
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地デジ移行のプロモーション
テレビをご覧の方は、地デジのCMの攻撃がすごく面倒くさいと感じられているでしょう。ただ、去年7月の総務省の発表では、今年7月の移行時には、1日60万件ほどの問合せがやってくるだろうと予想しています。
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02ryutsu09_02000096.html
信じられないかもしれませんが、こんなにCMがテレビで流れ、問題視しないけれども、移行が開始したときに慌てふためる20~30代の若者が沢山出てくるでしょう(お年寄りはもちろんですが)。
ただ、ここまで、テレビ・ラジオ・番組・雑誌・ネットなどでプロモーションして、お金をかけまくっているような気がしますが、そこら辺りの批判は別の機会に取り上げるとして、地デジ移行PRを、在日外国人への災害対策の情報徹底をどこまでできるかを考えてみましょう。
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在日外国人向け防災関係・と地デジ促進がしていること
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- 行政ウェブサイトで情報発信
- 地域のコミュニティーセンターや広場でイベント
- パンフレットや冊子を制作して配布
- 行政・NPOがなんらかの出張サポート
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地デジ促進がやっていて、在日外国人向け防災活動がしていないこと
では、地デジの広報がやっていて、在日外国人が行っていないことはなんでしょう。
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- タレント・有名人起用
- 草なぎ剛さん
- 弁士の山崎バニラさん
- 各局のアナウンサーのCM出演
- 落語家
- キャラクター
- 地デジ化
- CMやインフォマーシャル
- 全国で30秒CM
- NHKでもCM
- ローカル局も5分番組制作
- NHKが中堅俳優を起用して30分ドラマを制作
- 有名人とのイベント
- お笑い芸人を読んで、地デジをおもしく解説
- 落語家を読んで、地デジを面白く解説
- サポート
- 電話
- 家電戸別訪問
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なるほど、ここでのキーワードは。「簡単に」「有名人」「おもしろい・たのしい」「ワンツーマン」。
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15秒CMを流す = 大量の人に一度に啓蒙
ショッピングセンターなどでのイベント = 通りすがりの人も取り込む
有名人の起用 = 見てくれる
なんとか、おもしろくしようと、ドラマにしたり芸人呼んだりしてる
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でしょうか。その中で、テレビCMに注目してみましょう。
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解決策1:15秒でや30秒で、まず伝える事を考える
まだ地デジ対策をしていない人でも、地デジという言葉はほとんどすべての日本人が知っていると思います。まずは、15秒や30秒で伝えれることを伝えていくことを決めていくことが重要でしょう。
これは、テレビCMでも重要ですが
- Web上での記事の見出し
- Twitterでのつぶやき
- FacebookでのWall
- 外国人が来るイベントでの一言プロモ
でも使えます。
ということで、まず、15秒や30秒で伝えれることを決め、それを一斉に皆の人海戦術で発信していくことが重要じゃないでしょうか。私は自分が執筆した地震ガイド:
● Japan Living Guide: Earthquake 101 in Japan
http://yokosonews.com/lifestyle/earthquake-101/
で、在日外国人に、以下の2点を、準備しておけと言っています。
- 家や職場の近くの非難場所を覚えておけ
- 落ち着いてパニックをしない
15秒で言えるキャッチフレーズ。他にもなんかあったら、よろしくお願いします。
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解決策2:ゆっくり、少しづつ、ながーく伝える
YokosoNews を運営していて、ニュースは毎日発生しています。情報が溢れている中、数十ページの冊子を一気に読んでくれというのは、無理があります。
ということで、地デジ対策のテレビCMでも、15秒の内容をちょっとずつ変えて、違うメッセージを発信しています。
災害対策でも同じでしょう。
また、一度にすべての情報を準備せずに、ちょっとずつ準備していけばいいので、用意する側の負担も軽減できます。
というか、地元のNHK名古屋では、SKE48を起用して5分間の防犯・防災番組を19:55より、時々放送しています。
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● 知って解決!SKEっとネット
http://www.nhk.or.jp/nagoya-suketto-blog/
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15秒の短いCMや、このような5分で説明できるコンテンツを繰り返し制作し、くり返し流していくという啓蒙活動が必要です。
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解決策3:ボランティアで、しかも英語の勉強できるし!
3つめは、時間とお金の問題です。普通に英語のライターさんを雇って、グラフィックデザイナーさんを雇って仕事をするだけの税金の無駄遣いも出来ないでしょう。
なので、英会話スクールに通っている時間を、ちょっとだけ YokosoNews の防災マニュアル制作に手助けしてくれないでしょうか?
ということで YokosoNews では
- 英語しゃべれなくてもいい普通の人
- 在日外国人に知られている有名人
- 行政・政治
- 防災・気象関係の方
- 観光関係の方
- NPOの方
- 災害関係
- 国際化関係
- 英会話学校の方
- ネイティブ教師がいる
- 生徒さんにこのとりくみに興味ある
- 企業の方
- 場所の提供できる
- イベントの開催の提案
- サービスや製品のスポンサーできる
- 防災グッズ作っている
- メディア(協力しません?)
- 日本のメディア様
- 英語メディア
- 外国語メディア
- 趣味で趣味でやっている人
- ビデオカメラマン
- 写真
- グラフィックアーティスト
- 学生
- マーケティングの勉強したい
- 防災の勉強したい
- ボランティアに興味ある
- 国際的な参加に興味ある
の方に、
- 場所の提供
- 防災ガイドの作成
- 防災ガイドビデオの企画
- おもしろ防災イベントの開催の協力
- グッズやキャラクターの制作
- スポンサーや補助金(物品やサービスでも可)
などを手伝ってくださるボランティアを募集したいと思います。利点は、防災以外にも・・・
- 楽しいですよ
- 英語の勉強できますよ
- 人の役に立ちますよ
- 楽しいですよ
- 今まで出会うことのなかった人との出会い
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てな感じで。ひとりだけじゃつまらないので、みなさんの参加をお待ちしております。三重県周辺で3〜5人ぐらい集まれば、ミーティングを。そして、全国各地であれば Skype などのチャットソフトを使っての集まりを行いたいと思います。
また、そんなに時間をかけられないという方は、簡単な他の人への宣伝だけでもいいですので、ご協力をお願いします。
ひとりだけでは出来ません。皆さんの協力がなければ、この試みは終わってしまいます。
よろしくお願いします。
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解決策4: たのしく
こんな真面目なことですが、たのしく、おもしろく・・・時にはバカなことをやっていきたいと思います。
例えば、
- カレー大食いクイズとか
- 酔っ払って作業できるか大会
- コント作る
- 寒中水泳大会
とかやってみたいです。
災害が起きたときも、しばらくは真剣でなければいけませんが、長期化すると明るく楽しい避難生活も必要です。勉強になるし、英語が使えるし、人の役に立つし、新しい人と会えるし、そして楽しい・・・そんな活動を YokosoNews を通じて行なっていければと思いますので、よろしくお願いします。
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何をやるの?
集まった人で何ができるかによるので、あまり話を進めたくありません。ただ
- Ustream などのネット中継で防災講座
- YokosoNews や他の協力メディアによる特別記事などの制作
とかできるんじゃないかな〜と思っていますが、でも、参加者の皆さんとお話ししたいと思います。
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目標
んでも、目標を決めたほうがいいと思うので
来年の2012年1月17日か、それまでに何かやる
を目標にしませんでしょうか。
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お問合せ・募集先
以下のページ一番下に、お問合せフォーム、電話番号などが記載されています。そこから、お問合せくださいませ。
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<関連記事>
■ 東北関東大震災を英語UST情報発信中・途中報告
https://ja.katzueno.com/2011/03/2168/
■ 4月11日ぐらいまで英語での災害情報を発信 ← 他にも紹介されたメディアのリストが掲載
https://ja.katzueno.com/2011/03/2176/
■中東アルジャジーラの番組に YokosoNews で生出演
https://ja.katzueno.com/2011/04/2184/
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