多言語団の勉強会と WordPress 多言語化 @ WordCamp Tokyo 2015

月末、東京で多言語に関するイベントが沢山ありましたので、その報告ブログです。

(といっても YarakuZen の翻訳サービスを試したかったために書いているブログ記事なので、あまり推敲しておりません。読みづらかったらすいません・・・。)

10/29 (木) に、予定を1日早く東京に到着。というのも、HiveShibuya  で多言語の勉強会を開催するとの噂を Facebook で聞きつけたからでした。

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Polyglots Doorkeeper

https://polyglots.doorkeeper.jp/

多言語サイトを考えるためには絶対しておきたいセッションたち

詳しい解説は、高野直子さんのブログ記事を参考にされるといいです。

まず、サイトエンジン株式会社の毛塚さんのセッションです。私も去年、名古屋で多言語サイト制作の基礎をお話したりしましたが、それはあくまでもウェブサイト制作者の目線でした。今回のスライドは世間一般のマーケティングを行っている人にも非常にわかりやすい内容だったと思います。スライドは要チェックです。

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http://www.slideshare.net/siteengine/ss-54514820

 

次に Conyac の山田さんが、Conyac のサービス紹介をしていただきました。クラウド翻訳サービスはすでに結構普及が始まっていると思うので、ここでの説明は省きますが、翻訳者として登録している人に、現地のマーケット調査を含めたいろいろな依頼ができる Conyac Market というサービスを紹介。これは注目です。

お話の後、Katz がクラウド翻訳については、用語集や表現の統一が懸念事項としてあるということを質問しましたが、品質を一定に担保するために、法人アカウントではプロジェクトマネージャーを割り当てることを実施しているとのこと。

そして、Conyac  Market は、特に「使える!」と思いました。規模が大きい案件で、多言語コンテンツのディレクションをしていた時、その国の嗜好にあっているコンテンツになっているかの調査を行う必要がありました。その時は、訳者の人に同時に市場調査としてお願いしていたのですが、まさに欲しかった機能が搭載されました。

Conyac Market で市場調査ができるようになるというのは非常にインパクトが強いです。多言語サイトのみならず、普通の製品やサービスを作っている人で、海外に向けて市場開拓をする上で重要になってくるかもです。現地調査は時間と労力がかかります。しかし、このようなクラウドのサービスを使うと世界中の人に簡単にアンケート調査を行うことができます。ただ、一つ問題なのは、果たして Conyac Market に登録している調査員がその製品やサービスのマーケット調査に適しているかどうかはわかりません。また適している人材を求めても、調査を行う問題が適切でないといけません。この最適な調査員の選定と市場調査の最適な質問事項を考えることは、経験が必要になってくるので、ちょっとむずかしいです。ただ、クラウドで小額スタートできるところが嬉しい。最初は数万〜数十万円をドブに捨てるつもりで視聴調査のコツを掴み、段々と慣れていくのが良いと思います。現地調査を数十万円で、もしくはマーケティング会社に数百万支払うよりは安価にできるでしょう。

 

そして、WordPress の世界で一番たくさんの人に使われている Contact Form 7 の作者である三好さんのセッション。WordPress の多言語サイトの仕組みを説明し、プラグインの問題点などを話されました。

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三好さんは Bogo という、WordPress サイトを多言語化するプラグインを開発されています。

三好さんは、1つの WordPress サイトを多言語化することに賛成な方で、Katz は、マルチサイト機能を使って、言語ごとに WordPress を分ける派です。どちらが間違い、正解というわけではなく、多言語コンテンツを入力する人が同じ人なのか、違う人なのかによってもやり方は変わってくると思います。

そう考えると、concrete5 の多言語機能は優秀だなーと実感 (ボソ)

ともかく、三好さんとは、WordPress 多言語化はシングルサイトかマルチサイトかの論争には、永遠のライバルだと思いますが(苦笑)、今日、重大発表がありました。

翻訳支援サービス YarakuZen を WordPress + Bogo で使えるようにしたプラグインを発表されたのです!

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そして、この YarakuZen のサービスがすごかった。最後は YarakuZen の坂西さんの自社サービスの紹介セミナーでした。

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この YarakuZen は、いろいろな業界・会社の翻訳を行っているフリーランスの翻訳者や、翻訳会社にはまだオススメできないですが、自分のブログ、会社などの翻訳を行ってい人だったら、速攻試すべし!なすごいサービスです。

YarakuZen は、AI (人工知能)がついた機械 + クラウド翻訳サービスです。

翻訳元の原稿をアップすると、YarakuZen が自動的に文章を分解し、分解した文章を元に、機械翻訳の例を表示します。

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気に入らない機械翻訳があれば、それを修正すると、自分のアカウント内で学習され、もし、次回、おなじ文章がでてくれば、過去の自分の翻訳例を優先的に翻訳結果として表示します。

つまり、翻訳すればするほど、自分の会社・製品・サービスにあった機械翻訳を行うことができます。

そして、機械翻訳だけでは物足りない場合は、クラウド翻訳サービスに注文することができます。

クラウド翻訳サービスのダメなところは、クラウド翻訳者は、コンテンツの全体像をつかみにくいところにあります。

つまり、ウェブサイトのとある1ページや、1段落だけの翻訳を注文すると、翻訳者は、サイト全体や前後の話の流れがわからないまま翻訳が進んでしまうのです。これでは、クオリティーの高い翻訳はできません。

しかし YarakuZen は、文章全体のデータは、アップロードされているので、段落の一部分だけ再翻訳をお願いしても、ある程度、大丈夫になるとのことです。

一回、翻訳サービスのクオリティを試したいところです。

 

というか、実は、今回のこのブログを YarakuZen のサービスを使って、日本語→英語のブログ記事にしてみました!

私のように、英語・日本語両方のブログをメンテしているのですが、正直、いままで、両言語で記事を書くのが面倒くさいと思っていたのですが、この YarakuZen のおかげで、簡単に翻訳を進められそうです!

残念ながら、機械翻訳のクオリティは全然ダメだったので、すべての文章を書き換えました(苦笑)

私は WordPress + Bogo  ではないので、直接 WordPress から翻訳はできません。なので、日本語の文章をコピペして、翻訳作業を行いました。

こういった翻訳サービスの肝はどれだけ訳者が翻訳しやすい機能をわかりやすく提供しているかです。原文の一部分を変更し「翻訳する」ボタンをクリックすれば、きちんと差分をとってくれました!未翻訳の部分がわかりやすく表示され、すごく助かりました!torados (昔のバージョン)、transifex などの翻訳サービスを使ってきましたが、このUX & UIは一番良かったです。

セミナーで、torados など膨大な取り扱い説明書を読まずとも翻訳を進めるとアピールしていましたが、その通りでした。

 

まだまだ課題は残ります

本当に充実した勉強会でしたが、その後の懇親会も最高でした。

お話を聞いていると、様々な職種の方がいらって、サイト運営者、ソフトウエア開発者から翻訳フリーランサーのプロまで、文系・理系が入り混じった勉強会でした。

アルコールが入ってから話が盛り上がったのですが、まだ、技術は本当の多言語で必要なものがテクノロジー化されていないということです。そして翻訳関係者で、こういった勉強会に参加した経験が少ない人は、自分の経験・意見・感想を発信しない方がより多いです。恥ずかしいということもあると思いますが、それ以上に技術の可能性を理解できていないというのもあります。これらの翻訳サービスは、どれだけ、ユーザー自身も気がついていない意見と要望フィードバックできるかが今後の課題になるのかなと感じました。

今回、話していただいた方々には、どれだけ大変な思いをしてここまでやってこられたかが理解できるのですが、すごく期待しているからこそ、いくつか書きます。

例えば、Conyac さんをはじめとするクラウド翻訳では、プロジェクトマネージャーをアサインするとは言われても、まだ法人アカウントのみとなり、そのマネージャーは、会社の要望や翻訳ボリュームに耐えられるか、対面が少なくてもクオリティーを担保できるかなどがなどの不安があります。今のところ、過去の経験では、クラウド翻訳で節約した値段分、こちらでどっちにしろ動かないといけないので、総合的に翻訳会社に頼むこととクラウド翻訳は、五分五分の状態です。現状では、対面で打ち合わせをするほうが良いか、時間を優先させるかで、クラウドか翻訳会社かで選択しています。

そして YarakuZen は、翻訳会社やフリーの翻訳者向けにはオススメできません。何故かと言うと、自分の翻訳した文章が、どんどん YarakuZen の同じ翻訳データベースに蓄積されるからです。

YarakuZen 自体は情報漏えいもしっかりしていると思うので、問題ないと思います。しかしフリーの翻訳者の人は、様々な企業と、時には NDA (秘密保持契約) を結び翻訳を行います。ただ固有名詞は明らかにヒューマンチェックで賄うことができるとして、表現方法を変えたい時、同じアカウントでは十分対応できないケースが想像できます。

YarakuZen に、文章が、プレスリリースか、お知らせか、ブログか等、種類を示す「モード」機能や、文章の表現のスタイル、丁寧口調か、話し言葉なのかを決める「スタイル」機能。そして「クライアント」機能を作ってもらって、固有名詞の管理など臨機応変に記録アルゴリズムを使い分けることができるようになればいいなーと勝手に思っています。

主催者の西川さんによると、次回は福岡で開催したいとのこと。ぜひ、その次は名古屋でお願いしたいですね〜。

 

WordCmap Tokyo 2015 で多言語セミナーを行いました

そして、10/31 (土) ベルサーレ神田で開催された「WordCamp Tokyo 2015」にて、多言語のセミナーを行いました。

部屋はほぼ満員。恐縮でした。

スライドは、WordCamp Kansai 2015 の時と同じだったため、多言語なので、思い切ってにスライドを全部英語化!日本語字幕をつけるということをしました。

ただ、日本語字幕部分が小さかったので、後ろの人は見えにくかったかも・・・。すいませんでした。

今回の東京訪問は、多言語づくし。本当に良い収穫がありました。

次のブログ記事では WordCamp Tokyo 2015 について書きます。