2015年の concrete5 は CMS の枠を超えた「課題解決」「コンテンツ力」がテーマです

Happy New Year of concrete5 2015

新年明けましておめでとうございます。

2015年が始まりました。昨年は、大きなプロジェクトを手がけさせていただきつつ、人生初めて本を出版。そして、コンクリートファイブジャパン株式会社に移籍させていただきました。

仕事始めの挨拶として、今年の個人的なテーマを書き初めたいと思います。

 

2015年は「課題発見力」と「コンテンツ力」がテーマです

去年辺りから、 Google の SEO 対策が功を奏してきだしたことや、Facebook などの SNS の普及により、小手先の SEO 対策だけではアクセスをとれなくなってきています。

個人事業主や、Web 担当者を始めとする一般の人には、Web での情報発信は、情報を欲している人 = 課題を持っている人に対して、解決するための情報を作るためのコンテンツ力が必要になってきます。

そして Web 制作をしている人は、ただ単に、技術を持っているだけではなく、お客さんが直面している新の課題を洗い出し、それを解決するための提案ができる Web サイト制作を努めていかなくてはいけない時代になってきました。

 

Web 担当者、個人事業主、経営者は?

企業の Web 担当者、個人事業主や経営者の方にとって、2015年の Web の課題は、「Web という垣根を本当に無くす」ことだろうと考えています。

今まで、「ホームページをとりあえず作る」→「SEO 良くするために更新する」→「ブログを書く」「Facebook ページを立ち上げる」という、トレンドに乗るための、Web やSNSのキャンペーンを行ってきている方が多いと思います。

しかし、今後は、本当に自社のお客さんのことが分かっている Web 制作者と共に・・・もしくは自分自身で Web を作っていかなくては行けない世の中になってきました。

一番の理由は、マスメディアからマルチメディア化とスマートホンの普及です。

スマートホンの普及前にも、テレビ・新聞・雑誌・ラジオのマスメディア時代から、ウェブサイトの普及によって、マスメディア以外のウェブサイトから情報を入手する人が多かったのですが、スマートホンの普及で、人々はより、テレビ・新聞・雑誌・ラジオを見なくなりました。

 

マスメディアの時代よりかなり難しくなっています

実は、90年代まで、マーケティングは比較的簡単でした。テレビや新聞はみんな読んでいたし、趣味の世界でも必ず、皆雑誌を読んでいました。新聞広告は出せなくても、多少安価なチラシ広告を出すことで人々に知れ渡っていたのです。

しかし、今では、テレビ、新聞、雑誌、ウェブサイト、SNSに人々が拡散しています。

テレビを見なくなった人も増えてきましたが、それでもスマホから情報収集する人だけかというと、テレビを見る人は未だ多いです。

確実にすべての人々に情報を発信するためには、全てのメディアを効率よく拡散させていくことが必要になってきました。

つまり、ウェブサイトのみならず、全てのメディアで共通したメッセージを伝えていくことが重要になってきます。

 

共通のメッセージを発信していけるパートナーを。「ローカルメディアクリエーター」の活躍

これは 2015 年の課題ですが、全てのメディアにおいて、共通のメッセージを発信し続けることが出来る広告代理店パートナーを探し始めることが重要になってくるかと思います。

私の三重県の知合いで、「ローカルメディアクリエーター」を目指し、ウェブ、印刷物、看板、動画などを手がけている知人がいます。今後は地方で、このような全てのクリエイティブを任すことが出来るクリエーターがでてくるでしょう。

 

Web 制作者の課題

そのために、Web制作会社は、お客さんから原稿をもらって、そのままコーディングに起こしていくような職人の仕事から、コンテンツを提案していけるような提案力がある制作会社のみが生き残っていくような社会になっていくのではないでしょうか。

 

印刷会社、写真屋、映画制作者がたどった道

実はこれ、他の業界でも似たようなことが起こっているので、まあ、いつかは Web 業界でも起こりうることだろうとは感じています。

例えば、印刷会社。昔は、パソコンもプリンターもなかったため、印刷物を作るためには絶対に印刷会社に行かなければいけなかったのです。反対に言うと、昔は印刷の需要が多く、印刷機を持ってある程度のメンテ程度しかできない印刷会社でも飯が食っていけました。しかし、コピー機やパソコンの普及で、街にあった小さな印刷屋さんはどんどん少なくなり、大量印刷をする工場や、ニッチなサービスをおこなっている等、付加価値がある印刷屋さんしか生き残っていません。

写真屋 (カメラマン) も似ています。昔は写真は高価なもの。近所の写真屋さんに行って家族写真を撮っていました。反対に言うと、カメラと現像設備に投資ができる人であれば誰でも写真屋さんを開店し、商売が成り立っていました。しかし、今やスマホでも高機能な写真が取れる時代です。街の写真やさんは、付加価値的なサービスを与えられることをアピールできる写真館、子供用の衣装を取り揃えたカメラスタジオチェーンなどのように、付加価値が必要となってきました。

カメラマンという職業もそうです。一眼レフカメラもだれでも持てるようになり、アマチュアカメラマン自身も、クオリティーの高い写真が撮れる方が増えてきました。

ただ、誰でも印刷ができるように鳴ったとはいえ、大量印刷や、特殊な印刷などは、まだ印刷会社の人に頼まないといけません。

誰でも一眼レフカメラを持つようになっても、アマチュアのカメラマンはプロのカメラマンには及ばないこともあります。それは、お金を払っているからこそ、確実に注文した目的(時間・場所・テーマ)に沿った内容の写真を撮ってくれることです。ここで注目したいのは、プロのカメラマンはクオリティーももちろんあるのですが、プロのカメラマンと、アマチュアのカメラマンとの違いは、確実に発注主と約束した内容の写真を撮ってくることです。そして、プロのカメラマンは、クオリティー的に撮ることが出来ない要求をされると、絶対に発注を受けません。(反対に本人が保証したクオリティーの写真を納品できないカメラマンはプロじゃないです。)

 

Web 業界の今の道

同じように Web 制作の業界でも同じようなことが起こりつつあります。

昔、インターネットは一部の人が使えるものでした。

HTML は簡単に書け、無料でウェブサイトが作れるものの、それでもテキストエディタや、ソフトを購入して、FTPなどの専門知識を覚えなくてはいけません。

90年代後半から今までは、少しのパソコンへの投資と、HTML や FTP などのウェブサイト制作の知識を覚えるという投資をした人しかウェブサイト制作ができませんでした。

しかし、今では、Jimdo、Weebly、WordPress.com など、専門のソフトや HTML などの知識がなくてもある程度、必要なウェブサイトを持てる時代がやってきています。

今まで、「コーディング職人」だけであった、日本の Web 制作業界では、コーディングだけでは食べていけなくなるのです。

今後、Web 制作者は、コーディングやサイト構築に費やしていた時間をいかに削って、お客様が持っているコンテンツ自身を一緒に考えていける、コンテンツパートナーになっていく必要があります。

 

アメリカは Web 制作会社は存在しないけど・・・

去年10月、 concrete5 の開発元 PortlandLabs, Inc に訪問し、アメリカの Web 事情を垣間見てきました。詳しくは、スライドや YouTube 動画をご覧いただくと幸いです。

アメリカの Web 制作事情は、下記のスライドの最後に話しています。

アメリカで一般的に Web サイトの制作は

  • 主に広告代理店が行う
  • 広告代理店は1人だけの小規模なものから大規模な物まで
  • 印刷物、イベント、店内の装飾、ウェブサイト、動画の制作を一手に行う
  • Web 制作会社 = プログラム開発会社やサービスを行うスタートアップが多い
  • Web 専門にやっている会社はフリーランス的な活動を行っている人が多い

となります。

広告代理店が、お店や企業のブランディングを一手に引き受けて、印刷物、イベント、動画などの制作を行っています。

そりゃ、広告代理店が、デザイン関係をすべてに担っていれば、各メディアでの広告戦略も同時に行うことが出来、シナジー効果を生むことが出来ます。

ただ、なぜか、日本の場合は、幸か不幸か、印刷物、イベント、動画・映像、Web 業界の横のつながりが無いか、予算の関係で、会社のマーケティング担当者が繋げなければいけないという苦労をされているように思えます。

日本の場合は Web制作会社に頼むという図式が出来上がっています。

 

お客様が希望する効果を出せるウェブサイト制作 -> 課題抽出とコンテンツ制作

大企業でさえも、未だに HTML コーディングのみでサイトを運営し、月に数万〜数百万円を払ってウェブサイトを更新しているウェブサイトがたくさんあります。

そして、それらのサイトの結構の数は、「原稿はお客様支給」が多いです。コンセプトなどの企画で Web 制作会社は少しだけ携わりますが、基本的に原稿はお客様支給が基本ではないでしょうか。

まだまだ壁は厚いですが、今後、日本でも、印刷物、イベント、動画も Web と一緒に作っていくという時代が、ゆっくりと近づいて来ると思います。

そこで、必要になってくるのが「課題発見力」です。

 

クライアントが本当に必要な情報発信は何かを見極める課題発見力

ちょっとコンサル的な立場にもなってきますが、クライアントが Webサイト制作をする理由を見極める力が必要となります。

今となっては、ウェブサイトを持ちたいと思っている個人や企業は既にウェブサイトを持っています。その反面、未だにウェブサイトを持っていなかったり、ペラなウェブサイトしかない企業は、ウェブサイトを持たないことを課題と思わない経営者の方もいるでしょう。

なので、最近 Web サイトを作りたいとか、サイトをリニューアルしたいと思っている人は、ただ単にウェブサイトを作りたいのではなく、既存のウェブサイトにある課題を解決したいから相談にやってきます。

また、そのお客様の中には、「レスポンシブにしたいんだよね〜」という直近の課題だけを持ってきているクライアントもいますが、実は、そのクライアントには、レスポンシブにしなければいけないという課題に直面しているからこそ相談に来ているため、レスポンシブサイトにしなければいけない元々の課題をヒアリングしなければいけません。

つまり、今から生き残ることが出来る Web 制作会社は、クライアントの課題をきちんと見つけることが重要になります。

 

Web 制作者に必要なコンテンツ力

クライアントの課題を見つけるだけではいけません。そこから課題をどうやって解決すればよいのか、解決策を導き出すために必要なのがコンテンツ力です。

昨年暮れの 12/20 (土) に WCAN 2014 Winter に参加しましたが、そこでのテーマが、コンテンツでした。

ここで Web 制作者にとって必要になってくるのが提案力です。

一番良いのは、理想的なコンテンツを提案しつつも、予算があるので「予算内ではこういうことが出来ます」的な提案です。

最初の仕事がお互いに十分なもので無くても、将来的に向かってのロードマップを提示していけるようになるのが重要ではないでしょうか。

 

予算変わらない -> コーディングやサイト構築の時間を削る必要 ->  CMS やツールの導入

コンテンツに力を入れなければいけないニーズは理解できたものの、実際のところ、Web 制作の予算は変わりません。そこで必要なのが、無駄な費用を削ることです。

今でも、原稿制作を全くしないのに、1ページ400文字ぐらいまでの文量で、月数ページのウェブ更新のサイトの管理費用を5〜10万円で行っているウェブ制作会社がいます。

これ、ボッタクリの価格ではありません。静的HTMLサイトで、原稿を HTML に変換する作業としてはごく普通な更新料です。

ただし、これを CMS を導入すると、コーディングの必要がなくなってくるので、月の管理費はサーバー代だけになります。但し、その分、毎月の原稿を考えたり、特集コンテンツを考えていくパートナーになっていけばよいのです。

また特集コンテンツを導入する際も、Javascript のライブラリなどを使い、効果的なページをより短い工数で作れるようになりました。

ここで、Web制作者の方が躊躇するのは、社内や外注のコーダーの方の仕事がなくなるかもしれないという懸念があると覆います。その心配は無用で、まだまだ Web サイトを新規作成したり、リニューアルする案件はどんどん出てくるのに加え、クライアントのコンテンツ制作が上手く行けば、クライアントの売上が上がり、新たなサイト制作の案件も舞い込んで来ます。

印刷会社やカメラマン、町の写真屋さんが、今まで培ってきたハードウエアや技術の資産に付加価値を付けて成長していったように、ウェブ制作会社は、今までのコーディングなどの資産を生かし続けることが出来るのです。

 

concrete5 は、クライアントの課題解決をするための最適ツール

今年、2015年、concrete5 CMS をボランティアで開発している日本ユーザーグループと、コンクリートファイブジャパン株式会社は、コミュニティ活動と法人活動という違う軸をもちながらも、大きく2つの柱を持って行動しようと考えています。

  • 個人事業主や企業の Web 担当者には、手軽に自社のサービスや情報を発信していけるツールとして
  • Web 制作者には、課題解決とコンテンツ力を高めるための時間節約ツールとして

concrete5 CMS を提案していけるような環境づくりを心がけようと思います。

 

concrete5 は CMS だけでは終わりません!

concrete5 の関係者、ただ単に、CMS というツールを普及させる Web 制作者だけではありません。

concrete5 には、Web 制作だけでなく、様々な知識を持った人々が参加しています。

  • 映画制作経験者
  • テレビ番組制作経験者
  • 新聞
  • お店・サロンHP制作
  • Web 制作者のための Git やプロジェクト管理
  • 多言語サイト経験者
  • ソーシャルメディアなどのマーケティング
  • 大学などの教育機関でのサイト活用
  • 空港や自治体などの公共機関サイト
  • 商店街での地域活性化
  • フリーペーパーなど印刷物メディアとタイアップ

総合的に、情報発信をお手伝いできるのが、concrete5 のコミュニティの総合力です。

 

具体的には? = セミナーやイベントを増やします!

それを行うためにどうするのか。

セミナーやイベントを増やします。

そしてセミナーをしてくれる仲間を増やしたいです!

Web 制作者向けのセミナー・イベントから、昨年、秋田で開催したような商工会議所主催のイベント等、地元の個人事業主や中小企業の経営者を対象にしたウェブサイト制作セミナーに加え、アクセス解析や、ソーシャルメディアマーケティングと CMS の活用を考えたセミナーを計画していきます。

5月13〜15日には、Web & モバイルマーケティングエキスポにも出展します。

セミナーやイベントを開催したいと思われている方は、是非とも、コンクリートファイブジャパン株式会社のお問合せから。お問合せください。

 

そして仲間を増やしたい!コミュニティの仲間も募集

また、それらのセミナーやイベントを一緒に行っていく仲間も募集します。

concrete5 Japan ローカルユーザーグループでは、各地で勉強会を開催してくれる方を募集します。例えば東京でも既に開催している勉強会は有りますが、初心者向けや特定地域などと特会した勉強会の開催もOKです!

興味のある方は、是非、こちらのお問合せなどから、「勉強会開催してみたい」と一言メールを頂ければ幸いです。

 

今年は、昨年から始めたポートランド訪問を、世界の皆で行いたいと計画しています。

また詳細が決まり次第。とにかく、6月ぐらいまでに、20~30万円分ぐらいの旅費を貯めるか、会社に申請しておいてください ( ̄ー ̄)ニヤリ

 

それでは、2015年も concrete5 をどうぞ宜しくお願い致します。

 

🙂